{分子栄養学栄養素編:その他}
レシチン語源は、卵黄を意味するギリシャ語の「レキトース」で、語源通りに卵黄に多く含まれています。元来はホスファチジルコリン(リン脂質の1種類)の別名でしたが、現在ではリン脂質を含む脂質製品のことを「レシチン」と呼んでいます。
約60兆の細胞で成り立っている私たちのからだには、その一つ一つの細胞にレシチンが含まれていて、栄養の吸収や老廃物の排泄など、からだのフィルターのような役割をしています。
また、ビタミンA、B1の吸収を助ける働きがあります。体内の化学工場「肝臓」(アルコールなどの毒物除去など)のダメージの修復や肝臓細胞の再生、皮膚や筋肉の新陳代謝を活発にして、全身の血行を改善します。体内のレシチン総量は体重60kgの人で約600gあり、細胞の若さと健康を維持するのに役立っているのですが、体内で生成される量は加齢と共に減少していきます。
以前より、乳化剤として化粧品・医療品分野で使用されていることをご存知でしょうか。食品では乳化分散剤や食感改良剤として、DHA・アラキドン酸などの機能性成分の供給源として、医薬では薬剤成分の皮膚透過性の効果が高いことから、外用薬として広く利用されているのです。
■ 水と油の体内コーディネイター!私たちのからだは、「水に溶ける性質のもの」と「油に溶ける性質のもの」とから成り立っていて、その仲立ちをするのが「レシチン」です。つまり、レシチンには「油にも水にもなじめる」性質があります。マヨネーズをつくる時に卵黄をいれることで酢と油がよく混ざるのは、卵黄に含まれるレシチンの働きなのです。この乳化作用によって、血液中のコレステロールを溶かして、コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぎ、脂質代謝を活発にします。中性脂肪が分解されるので、動脈硬化や高血圧の予防効果が期待できますし、脂質代謝を促すということは、当然、肥満解消にもつながります。
始めにも述べたように、レシチンが最も多く含まれるのは卵黄なのですが、コレステロールを乳化できるのは、植物由来のものだけと言われています。卵やレバーは動物由来のレシチンであることから、コレステロール値の改善効果を期待するのであれば大豆レシチンの方が勝れていることになります。
■ ブレインフードで脳の若さをキープ脳の約 40%は、レシチンで構成されています。レシチンの主要成分であるホスファチジルコリンという成分は、脳神経細胞のシナプスに働きかけ、神経刺激伝達物質であるアセチルコリンを作り出します。これが脳の栄養素(ブレインフード)と呼ばれる由縁です。脳のアセチルコリン濃度が、記憶力保持や脳機能高めるのに関係しています。老人性認知症の加齢に伴う脳の老化を遅らせるほか、脳や神経の病気を妨げる効果も期待できます。
このホスファチジルコリンは、今度は大豆レシチンよりも卵黄レシチンの方に多く含まれますので、脳の栄養としては卵黄レシチンがおすすめです。
■より効果的に「からだのサビ(酸化)」を除去レシチンにはビタミンEを体内に効率よく浸透させる性質があり、ビタミンE にはレシチンの酸化を防ぐ性質があります。一緒に摂ると相乗効果でそれぞれの働きが高まり、血管や細胞の老化予防も効果的にできます。
【1日あたりの摂取基準】日本では規定されていません。
メグビー
http://www.megv.co.jp/web.php?p=kouza1e&tpl=lecithinより転載しました。
- 関連記事
-
« ★命を託している医療・薬剤の実体が知りたい その317 不眠症の治療(鍼灸) l ホーム l ★命を託している医療・薬剤の実体が知りたい その316 耳鳴りの治療(鍼灸) »