{分子栄養学栄養素編:カロチノイド}
カロチン主に緑黄色野菜などの植物性食品に含まれていて、カロチノイドの仲間です。カロチンには、αカロチン・βカロチン・γカロチンの三種類あるのですが、中でも、βカロチンはプロビタミンAとして重要なものです。
必要量だけ体内でビタミンAに変換される栄養素で、皮膚や粘膜を保護することからカロチンがビタミンAに変換される量を「ビタミンA効力」といいます。そのため、生理作用では、ビタミンAの働きとして表現されます。髪の健康、夜盲症、視力の低下防止、皮膚や粘膜、生殖機能を維持し、成長を促進します。
変換されなかったカロチンは、無駄になるのでしょうか。それらは抗酸化として働き、からだの中で細胞のガン化や悪玉(LDL)コレステロールの酸化など、様々な悪さをする活性酸素の作用を抑えます。ですから、ガンや動脈硬化、心臓病などの疾病予防効果がある栄養素として注目されているのです。
ビタミンA効力は1/3と言われているので、脂溶性という性質からいっても生で食べるよりも油で調理した方が吸収は高まります。ただ調理法によって吸収率が10~60%と大きく違ってきます。
マーガリン、ラード、バターなどの黄色着色剤として利用されるほか、近年の研究では、皮膚細胞の新生の手助けや紫外線防御などの効果が見出され、アンチエイジング対策として乳液・ローション・美白クリームに配合されるようにもなりました。
■「αカロチン」ニンジン・カボチャ・橙黄ピーマン・とうもろこしなどの赤黄色野菜に含まれ、生体内ではγカロチンによって作られています。αカロチン抗酸化力は、βカロチンと比べると、皮膚や目を酸化から保護する力は約10倍もある言われていますが、ビタミンAへの変換率はβカロチンの半分とされます。このため、αカロチンは、βカロチンと一緒に摂取した方がよいと考えられています。肺ガンを抑える効果については、βカロチンよりも優れているという報告があります。
■「βカロチン」主な供給源は、しそ・にんじん・パセリなどの緑黄色野菜ですが、100g中の含有量では、ノリやワカメなどの海藻類も引けをとりません。活性酸素や過酸化脂質(コレステロールの酸化物)を除去して、血液を流れやすくします。そして老化の防止やガンの増殖の阻害、免疫機能の強化、体の細胞の活性化により、様々な病気にかかりにくくし治癒力を高めます。βカロチンは、他のカロチンに比べると、2倍のビタミンA効力があります。
■ 「γカロチン」生体内ではリコペンの異性型、βゼアカロチンの脱水素化によって作られます。αカロチンやβカロンの前駆体としてニンジン等に微量に存在していますが、ビタミンA効力は低いです。
【過剰症】過剰症はありませんが、手のひらや足の裏が黄色くなるカロチン血症になることがあります。これは、過剰摂取した人全てに現れる症状ではなく、なりやすい体質があります。眼球結膜は黄色くならないのが、黄疸との相違点です。
メグビー
http://www.megv.co.jp/web.php?p=kouza1e&tpl=caroteneより転載しました。
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