過労や睡眠不足などのストレスをはじめ、アルコール摂取や激しい運動は、尿や汗となって体外へマグネシウムを排泄させます。日常の食生活から自然に摂取するのは難しい・・・
{分子栄養学栄養素編:ミネラル}
マグネシウム(Mg)300 以上の酵素の補酵素として、その活性化に関与しているため、非常に重要なミネラルです。成人の場合、マグネシウムは体内に25g含まれていると言われ、その内70%は骨や歯に存在して骨の弾力性を維持する働きがあります。不足すると骨から溶出して使われますが、働きかけるホルモンがカルシウムと同じため、同時にカルシウムまで骨から流出されて骨量の減少につながります。
マグネシウムとカルシウムは、互いに作用し合って働いています。ですから、カルシウムの過剰摂取がマグネシウム不足へとつながりますので、バランスよく摂取することが大切になってきます。両ミネラルの理想的な摂取比率は、Ca:Mg=2:1~3:1です。
腸で水分を集め便通をよくする働きがあるほか、メタボリックシンドロームの一連の症状である、内臓脂肪・血糖値・コレステロール・中性脂肪・高血圧のリスクを下げることが報告されているミネラル、それがマグネシウムなのです。
過労や睡眠不足などのストレスをはじめ、アルコール摂取や激しい運動は、尿や汗となって体外へマグネシウムを排泄させます。日常の食生活から自然に摂取するのは難しいので、積極的に補給に努めましょう。
■筋肉の収縮をコントロール筋肉の収縮は、筋肉細胞の中にカルシウムが蓄積されることよって起こりますが、その量を調整しているのはマグネシウムです。ですから、マグネシウムの不足は、筋肉収縮がスムーズにいかずに痙攣や震えなどの原因となります。これが仮に血管壁にある筋肉で痙攣が起これば、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こすことになります。また骨を形成するマグネシウムには、骨を正常に代謝させる働きがあるので、不足すると骨がもろくなってしまいます。
血圧のコントロールにも欠かせません。カルシウムが血管を収縮させて血圧を上げるのに対し、マグネシウムは血管を弛緩させて血圧を下げるよう作用します。互いに拮抗して働くことで、正常な血圧は維持されているのです。
■抗ストレスミネラルマグネシウムはストレスによっても消費され、不足するとカルシウムの動きが乱れ、脱力感やイライラや不安感などが引き起こされます。マグネシウムとカルシウムには、神経の興奮を鎮める作用があって、穏やかな精神状態を維持するよう働いてくれことから『抗ストレスミネラル』と呼ばれます。
■偏頭痛予防偏頭痛時の脳内マグネシウム濃度が、通常よりも低いことからその不足が一因と考えられるようになりました。偏頭痛は特に30~40歳代の女性に見られ、男性と比べると3~5倍も多いそうです。
マグネシウムが不足すると、セロトニン(傷口からでる血液を凝固させる物質)が放出され、必要以上に血管が収縮されるので、周囲の神経が刺激されて頭痛を引き起こすのです
【1日当たりの摂取基準】成人男性で310~320mg、成人女性で250~260mg(許容上限摂取量は700mg)
【過剰症】尿として排泄されるので、過剰症の報告はされていません。ただし、腎機能障害のある場合は、血漿中のマグネシウム濃度が高くなることがあります。とはいえ、最近では「にがり」の過剰摂取で死亡した事例がありますので、摂取には注意が必要です。
マグビー
http://www.megv.co.jp/web.php?p=kouza1e&tpl=magnesiumより転載しました。
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