ウイルスが体内に入ってくると、インターフェロン(タンパク質)が増えてその増殖を抑えようとします。このインターフェロンの量は、ビタミンCの量に依存するため、大量のビタミンC摂取は、ウイルスに対抗できる体質づくりにつながる・・・
{分子栄養学栄養素編:ビタミン}
ビタミンC最近では美容効果があることで有名になっていますが、生命活動の局所で重要な役割を果たしているビタミンです。かつては死に至る病気として恐れられてきた壊血病(からだの各部から出血する病気)も、この欠乏症と言われていました。ビタミンCは、細胞と細胞をつなぐコラーゲンというタンパク質の合成に関与しているので、不足すると血管壁の結合がゆるんで出血してしまうのです。切り傷などが治りにくいとか歯茎からの出血などが見られるなら、不足しているのかもしれません。
病気からからだを守る働きは大きく、抗酸化ビタミンとして活性酸素を消滅させます。細胞膜内ではビタミンEがいち早く活性酸素と結びつき、からだの中で金属がサビたり油が劣化するような現象を防ぎますが、その後その活性は失われます。そこで、ビタミンCが細胞外でビタミンEをリサイクルさせるというわけです。酸化を防ぐことは、細胞の老化を遅らせ、動脈硬化・ガン・白内障などの予防につながります。その他、日焼けや皮膚の色素沈着を防ぎ、シミやソバカスを予防する働きがあったり、鉄の吸収を助けたり、免疫の仕組みを正常に保つなど、幅広い働きがあります。
水溶性ビタミンなので、体内には2~3時間ほどしか留まってくれません。ちなみにタバコ1本吸うと25~100㎎のビタミンCが失われると言われます。重労働者やスポーツマンは、体力消耗とともに失われるので、まめな摂取を心掛けると良いでしょう。
■あらゆる肌トラブルに紫外線やストレスが原因でコラーゲンなどが破壊されたりすると、肌がダメージを受けて老化が進みます。私たちがストレスを感じた時には、それに対抗するために副腎からアドレナリンが分泌されます。この時、副腎に大量にストックされたビタミンCが、この抗ストレスホルモン生成を助けています。
メラニンは紫外線を吸収することで、お肌をガードしてくれていますが、新陳代謝が乱れると沈着してシミやクスミの原因となります。ビタミンCには、沈着したメラニンを透明感ある素肌に導く働きがあります。また、シワ・タルミにも効果を発揮します。ターンオーバーサイクルを整え、ハリと弾力のあるお肌を取り戻させてくれます。さらに、大人のニキビの発生を抑制するだけでなく、皮膚の新陳代謝を高めてニキビ跡の改善に役立ちます。
■風邪~ガン予防まで白血球やリンパ球の機能を高めてくれることから、免疫力の向上効果があります。そのため、風邪を引きにくかったり、その回復が早まったりします。ウイルスが体内に入ってくると、インターフェロン(タンパク質)が増えてその増殖を抑えようとします。このインターフェロンの量は、ビタミンCの量に依存するため、大量のビタミンC摂取は、ウイルスに対抗できる体質づくりにつながるのです。インターフェロンは抗ガン剤にも使用されています。ガン細胞にも同じように働きかけて、細胞分裂を抑制してガン細胞の増殖を抑えられるでしょう。
■二日酔いをシャットアウト!肝臓にはアルコールを分解する働きがありますが、過剰分は処理しきれずに「アセトアルデヒト」となって、体内蓄積されます。ビタミンCには、この頭痛や吐気の症状をもたらすことになる「アセトアルデヒト」の分解促進作用があるので、飲食前や飲食後に多めに摂っておくと二日酔いの症状を緩和してくれます。
【1日当たりの摂取基準】成人で100㎎【過剰症】大量に摂取しても吸収率が低下して、残りは尿として排泄されるため、過剰症の心配はありません。ただし、1日10g以上摂摂取すると下痢・頻尿・発疹を起こることがあります。
メグビー
http://www.megv.co.jp/web.php?p=kouza1e&tpl=vitaminc より転載しました。
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