■B1ストレスにさらされる機会の多い私たちにとって、重要なビタミンです。糖質を分解する酵素の活動を助けて、エネルギーに変えてくれるので、乳酸など疲労物質が体内に貯まるのを防ぎ、疲労を緩和し回復を高める効果があります。お酒をよく飲む人やスポーツ選手は積極的に摂りたいビタミンの1つでしょう。
中枢神経や手足の末梢神経の働きは、脳によってコントロールされています。ビタミンB1が分解されることで生成されるブドウ糖は、脳の唯一の栄養素なので、不足すると精神が不安定(イライラや不安など)になったり、集中力の低下や運動神経の低下を招いたりします。
【1日当たりの摂取基準】成人男性で1.1mg、成人女性で0.8mgです。■B2エネルギー生成に使われるタンパク質・糖質・脂質の代謝に関わっています。細胞を再生して成長を促進させ、皮膚や毛髪、爪を作るのには欠かせないことから『発育ビタミン』と呼ばれます。また脂肪の代謝に作用するので、肥満予防や解消に役立ってくれます。
さらに、B群の中でも唯一体内の抗酸化システムに関与していて、グルタチオン還元酵素(過酸化脂質を分解する酵素)の補酵素です。血管壁に付着する余剰脂質である過酸化脂質(LDLコレステロール)の生成を防ぎ、動脈硬化を予防する効果が期待されています。ほかにも皮膚や粘膜の健康を保つ役割があって、特に肌に対する効果は大きく、不足すると、にきびや吹き出物、口内炎ができるので『美容ビタミン』とも言われています。
【1日当たりの摂取基準】成人男性で1.2mg、成人女性で1.0mgです。■B6タンパク質の代謝に重要な役割をもっていて、タンパク質合成に必要なアミノ酸が足りない場合に、別のアミノ酸を作り変える働きを助ける補酵素です。皮膚や毛髪を構成しているタンパク質(ケラチン)を生成する働きがあって、健康な皮膚や毛髪や爪を作るほか、成長を促進する効果があります。またアレルギー症状の免疫抗体の元となるタンパク質(免疫グロブリン)の生成に関与しているので、ジンマ疹や湿疹などの症状が抑えられます。
『女性ビタミン』とも呼ばれています。月経前の排卵期になると血中ビタミンB6濃度は低下しますが、PMS(月経前諸侯群)の症状が軽減されたという報告があります。さらに「つわり」の原因の一つでもありますので、妊娠中は通常の何倍も取るようにしたいビタミンです。実際、「つわり」の緩和のために点滴などにも含まれています。
【1日当たりの摂取基準】成人男性1.6mg、成人女性1.2mgです。■B12葉酸とともに赤血球を形成してくれる『造血ビタミン』です。赤血球の中の核酸(DNA)の合成に必要な葉酸の働きを助ける補酵素の役割を担っています。どちらが不足しても、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)を引き起こします。また神経とも関係があり、末梢神経の傷を修復する作用も持っているため、腰痛の治療にも使われています。
『脳ビタミン』でもあります。情報伝達物質のシナプスがきちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなりますが、年齢とともに、あるいは痴呆症などの病気によってシナプスは壊れていきます。ビタミンB12にはシナプスの修復作用があります。さらに体内時計をもとに戻す作用が分かり、不眠症や時差ボケにも効果があると言われています。
含有量が多いものは、魚・肉・貝類・卵・牛類などの動物性食品です。極端な偏食で無い限り不足する心配はありませんが、菜食主義やビタミンB12吸収に問題のある人は注意が必要です。
【1日当たりの摂取基準】
成人1日当たりの推奨摂取量は2.4mgです。■ナイアシンニコチン酸、ニコチン酸アミドともいい、トリプトファンというアミノ酸とビタミンB2、B6から作られていて、これが不足すると、体内合成能力が低下します。
タンパク質・糖質・脂質の代謝に不可欠であると同時に、皮膚や神経の健康を保つ働きがあります。欠乏症として代表的なのは、舌の先や縁の炎症や食欲不振などの症状がでる「ぺラグラ」という皮膚病があります。さらに、アルコールによる酔いの原因である「アセトアルデヒト」を分解する作用があるので、二日酔いの予防をします。実はつまみで出てくるピーナッツには、ナイアシンが含まれています。血行を改善することから冷え性や頭痛などにも効果的であるほか、中性脂肪やコレステロールを下げる薬理効果が明らかになっています。
【1日当たりの摂取基準】成人男性で17mg、成人女性で13mg、許容摂取量の上限は30mgです。■パントテン酸名前に、ギリシャ語の「どこにでもある」という意味が使われている通り、どんな食品にも含まれています。糖質や脂肪が燃焼する際に欠かせない成分で、栄養をエネルギーに転換して、代謝を促進する作用を持っています。またHDL(善玉コレステロール)の生成を促す働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞などの予防効果があります。
コラーゲンの生成を促すビタミンCの働きを助け、傷ついた皮膚や粘膜の回復にも役立ちます。このため、ニキビ治療薬にはパントテン酸配合のものがよくあります。葉酸やビタミンB6とともに、免疫のためのタンパク質をつくる働きがあって、風邪や細菌などの感染症への抵抗力を高めてくれます。最近では髪のダメージを改善する助けとなることも明らかになっています。副腎皮質ホルモンとも関係がありあます。これは、私たちがストレスを感じた時に作られるホルモンですが、血糖値と血圧を上昇させて、使えるエネルギー量を増やし、ストレスに対する抵抗力を強めます。
【1日当たりの摂取基準】成人の1日あたりの推奨摂取量は、5mgです。■葉酸赤血球を作り出す際にビタミンB12と一緒に働く栄養素です。葉酸は赤血球内の核酸の合成に必要で、ビタミンB12は葉酸の働きを高める補酵素の役割をもっています。葉酸が核酸の生成に関係が深いということは、DNAの生成にも関与し、細胞分裂の段階で重要な役割を果たしているということです。このことから、日々成長する胎児に不足すると先天性異常のリスクが高くなるので、『妊婦ビタミン』とも呼ばれます。
「脳の食べ物」という名の通り脳の発育に関係しているほか、皮膚粘膜や口内粘膜を強化します。また、血液中のホモシスティン(アミノ酸の一種)のレベルを減少させる働きがあることから、動脈硬化や心臓病・脳卒中・アルツハイマー病の予防効果が期待されます。
【1日当たりの摂取基準】成人男女で200μg(ただし妊婦が1日あたり400μg / 授乳婦280μg)で、摂取量上限は1日1000μgです。■ビオチン血行を改善して皮膚の再生力を高める効果があり、細胞を活性化させて老廃物の排泄を促してれくれます。皮膚や毛髪にとって重要なビタミンなので『皮膚ビタミン』と呼ばれます。もともと皮膚炎を治すビタミンとして発見されたので、ビタミンH(「H」はドイツ語の皮膚Hautの頭文字)と呼ばれ、以前から皮膚疾患の治療薬などで利用されてきました。最近ではアレルギーの元凶と言われるヒスタミンの増加を抑える働きがあることが分かり、アトピー性皮膚炎に効果があると再認識されています。
また、乳酸を分解して再びブドウ糖へリサイクルしてくれるので、筋肉痛や疲労感を和らげます。インスリン分泌を促して糖代謝を高めるため糖尿病にも有効という報告もあります。
【1日当たりの摂取基準】1日の目安量は成人で30μgです。
メグビー
http://www.megv.co.jp/web.php?p=kouza1e&tpl=vitaminb より転載しました。
- 関連記事
-