fc2ブログ

人生は死ぬまでの暇つぶし  自然にその日を迎えるまで、サバイバル(健康・経済・社会情勢・天変地異・・・)  真実、真相、本質、一を知りたい

★宇宙は無数にあるのか? その4

 話をインフレーション理論に戻しましょう。
この理論は宇宙がビッグバンを起こした理由を説明しました。真空の相転移による「倍々ゲーム」の急膨張が終わったところで放出された膨大なエネルギーによって、宇宙は「火の玉」になったのです。

 しかし、インフレーション理論が解いた宇宙の謎はそれだけではありません。宇宙が完全に均質な空間ではなく、星や銀河といった構造の「タネ」になるデコボコが生まれた理由を明らかにしたのも、この理論です。

 それ以前のビッグバン理論でも、宇宙がまだごく小さかったときに密度の濃淡(ムラ)があり、その濃い部分を中心にガスが固まることで星や銀河などの構造ができたと考えられてはいました。そのムラのことを「密度ゆらぎ」といいます。

  しかしガモフらの理論では、宇宙全体の構造を決めるほど大きな密度ゆらぎができる理由がわかりませんでした。全体の構造を作るには「事象の地平線」を超え る大きなスケールの密度ゆらぎが必要ですが、ビッグバン理論では小さなゆらぎしかできないのです。 初期宇宙はこの地平線距離が短く、空間全体が因果関係 を持つことができませんでした。全体の構造を作るほど大きな密度ゆらぎを作れないのも、そのためです。

 物質密度のムラを「山」だと思え ば、イメージはわかるでしょう。平らなところに山を作るには、どこかから物質を持ってこなければいけません。しかし、宇宙最高速の光すら連絡が取れない場 所から何かを持ってくることは不可能です。だから、地平線の手前までの小さな山しか作ることができないのです。この密度ゆらぎの問題は、別の問題とも表裏 一体でした。それは、「一様性問題」と呼ばれる謎です。

 ビッグバンの「化石」であるCMBを調べてみると、宇宙全体がほぼ一様の構造に なっていることがわかりました。たとえば私たちの天の川銀河から1〇〇億光年離れた銀河と、それとは反対方向に1〇〇億光年離れた銀河は、旧来のビッグバ ン理論では宇宙の始まりから現在にいたるまで、一度たりとも因果関係を持ったことがありません。お互いに、「地平線」の向こう側にいるからです。そんな領 域が同じような構造を持っているのは、実に不思議なことでした。インフレーション理論では、これらは宇宙の初め頃に因果関係があったのです。

  インフレーション理論は、この「構造の起源」と「一様性問題」という表裏一体の謎に答えることができました。まず「密度ゆらぎ」の問題は、微小なゆらぎが 急速な膨張によって一気に大きく引き伸ばされたと考えれば説明がつきます。つまり現在の私たちが観測できる宇宙は、「地平線」の内側にあった領域が大きく 拡大されたものなのです。

 そうだとすれば、観測できる宇宙が「一様」になっているのも当然でしょう。インフレーションの前に「地平線」 の内側にあった領域は、因果関係があるので、物質やエネルギーを移動して均一な空間にすることができます。その領域が一気に拡大して私たちの観測している 宇宙になったのならば、全体が一様になっているのは不思議でも何でもありません。

 ただし、インフレーションの前に「地平線」の向こうにあった領域がどうなっているかは(観測できないので)不明です。その領域は、私たちが観測している宇宙とはかなり様子が違うでしょう。CMBも一様ではないと考えられます。

  初期宇宙の曲率が大きく正か負の値を取っていたとしても、その一部がインフレーションによって巨大に引き伸ばされれば、そこは平坦に見えます。「地平線」 の外側まで観測できれば、(そこが一様ではないのと同じように)大きく曲がっているのかもしれませんが、そこは私たちには観測することができません。だか ら、観測できる範囲の宇宙は平坦になっているのです。

 宇宙初期に指数関数的な急膨張が起きたとするインフレーション理論は、ビッグバン、密度のゆらぎ、一様性問題等、宇宙をめぐるさまざまな謎を説明しました。では、なぜ、そのような「倍々ゲーム」の膨張ができたのでしょうか。

  本来、エネルギーは空間が広がれば、その分だけ密度が薄まります。それは、物質の密度が薄まるのと何ら変わりありません。エネルギーは質量と同じ (E=mc^2)ですから、どちらも体積が増えれば密度は下がるのです。したがって、空間の体積が二倍になれば、エネルギーの密度は半分になるはずです が、それで「倍々ゲーム」の指数関数的膨張が可能だとは思えません。エネルギー密度が低下すれば、空間を押し広げる力が弱まるからです。

  しかし不思議なことに、真空のエネルギーにはその常識が当てはまりません。真空のエネルギーは体積が増えても決して薄まることはなく、逆に増えていくので す。たとえば宇宙の体積が二倍になれば真空のエネルギーも二倍、体積が1〇〇億倍になれば真空のエネルギーも1〇〇億倍になります。

 「それではエネルギー保存の法則を満たしていないではないか」

  そう思って首をひねる人も多いでしょう。しかし、それが真空のエネルギーの性質であり、だからこそ指数関数的な急膨張が可能になりました。まるで、魔法の ような話です。納得いかないのも無理はありません。でもそれは、このように考えれば理解できるでしょう。インフレーションを「落下現象」だとイメージして ください。

 たとえば、太陽のまわりに小さな石ころを置いたとします。石は太陽の重力に引っ張られて(正確にはお互いの重力で引っ張り 合って)徐々に速度を増しながら落ちてゆき、最後はすさまじいエネルギーを持って太陽に衝突するでしょう。では、そのエネルギーはどこから来たのでしょう か。

 宇宙はアインシュタイン方程式(つまり重力)によって、小石が落下するように膨張します。ポテンシャルエネルギーがどんどん負の大 きな値となり、その分、真空のエネルギーが増してゆく。その真空のエネルギーが、相転移のときに熱エネルギーに転換され、ビッグバンの「火の玉」を生み出 したのです。また、真空のエネルギーが増してゆく様子は、ゴムシートを引っ張って広げることをイメージするとわかりやすいかもしれません。シートを引き伸 ばせば引き伸ばすほど、ゴムの中の収縮しようとするエネルギーが増加します。

 これと同様、宇宙が重力に引っ張られて膨張すればするほ ど、その中の真空のエネルギーは収縮しようとして増加します。だから、空間が二倍に膨張すれば真空のエネルギーも二倍、1〇〇億倍になれば1〇〇億倍に増 えるわけです。グースは、そんな真空のエネルギーの増大のことを「フリーランチ(タダ飯)」と呼びました。

 放っておけばいくらでもエネ ルギーが増えるのですから、そう呼びたくなる気持ちもわからなくはありません。宇宙の「始まり」がどのようなものだったかわからないので、真空のエネル ギーが本当に「フリーランチ」なのかどうかもわかりませんが、それが「無」から「有」を生み出す「魔法」のようなメカニズムだったことはたしかでしょう。

  そして現在の宇宙には、再び「魔法」がかかっています。宇宙を加速膨張させているダークエネルギーも、やはり薄まることがありません。宇宙が広がれば広が るほど、ダークエネルギーも増えていくのです。その膨張速度はインフレーションほどではありませんが、宇宙というゴムシートが六〇億年ほど前から引っ張ら れ始めたのは間違いない。だから佐藤はこれを「第二のインフレーション」と呼んでいます。

 宇宙の大構造、銀河団などの「まとまり具合」 を表す「Q」の値(10^-5)は、重力の働きでだんだん成長するので「Q」の値も大きくなっていきます。宇宙が始まった頃は、宇宙はきわめて一様で物質 密度の濃淡の度合いはほとんどなかったことになりますが、しかしこの濃淡、密度ゆらぎがなければ、私たちの宇宙には銀河団をはじめとする天体は生まれませ ん。

 この密度ゆらぎを作るのはインフレーションの大きな役割です。当然現在の「Q」の値をインフレーション理論は説明しなければなりま せん。実際、インフレーション理論のなかの数値を調節してやるとうまく現在の「Q」に合わせることもできます。構造形成が進まずに星や銀河が生まれないと か、反対に構造形成が行き過ぎてブラックホールだらけになることを避けて、ちょうど現在観測されているように銀河団など天体がうまく形成されるように理論 を作ることができます。

 実はインフレーション理論は私やグース以後、雨後の筍のように、ものすごい数の改良モデルが生まれています。 ニューインフレーション、ハイブリッドインフレーション、カオティックインフレーション、ブレーンインフレーション……という具合に数十はあるでしょう か。インフレーション理論は宇宙初期のモデルの標準モデルとなってはいるものの、すべての基本的力を統一する究極の統一理論が未完であり、モデルの細かな 点は不明なままなのです。したがって、今は「数値を調節してうまく観測に合うようにしている」段階なのです。


 今までのブログ4 回分では「宇宙はユニバース(単一宇宙)ではなくマルチバース(多宇宙)だった!」という本題に入れずに来てしまいました。今月発表された「原始の重力 波」の観測結果がいかに素晴らしい出来事であったかを思い知らされました。次回は、ブログ題「宇宙は無数にあるのか?」 にそって マルチバースを述べたいと思います。
FC2 Management

sonokininatte55.blog.fc2.com/blog-entry-203.html
その木に成って55さんちから転載しました。

関連記事
2014年03月30日 | 宇宙 | トラックバック(0)件 |
プロフィール

タマいち

Author:タマいち

こんにちは ♪
漢方と生薬の匂いが大好き ♪
花の80代 ♂、
朝が迎えられたことに感謝!
小便が出る事に感謝!
おまけの人生を楽しんでまーす(^^♪

サバイバルに必要な情報の収納庫!
転載はご自由に、ご勝手にどうぞ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ブロとも一覧

熊本!365歩の街(マーチ)!!

独りファシズム Ver.0.3

だいだいこんの日常~抗がん剤は毒ガスなので保険適用をやめましょう~

アギタの神が住む鎮守の森

やっぱり、毎日がけっぷち

石橋を叩いて割れ!

さんたブロ~グ

                         悪がきboy's ベル&タイガー

マトリックス脱出

シドニーおちんの、これが今の精いっぱい

シドニーおちんのこれが今の精いっぱい2

何てことはない日々

光軍の戦士のブログ
検索フォーム
リンク
飯山です