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人生は死ぬまでの暇つぶし  自然にその日を迎えるまで、サバイバル(健康・経済・社会情勢・天変地異・・・)  真実、真相、本質、一を知りたい

★フラットランド(平面国)の量子重力 その1

空間が3次元ではなく2次元だとしよう
そのような世界では重力はどのように働くだろうか?
その答えは自然界の統一理論への道を示している

 最初に、「時間とは何か」について考えてみよう。

  物理学者が相互作用の量子論を構築しようとする際、古典論を出発点として量子論への拡張を考える。重力の場合、古典論は一般相対論であり、ここにすべての 困難の原因がある。一般相対論は10個の方程式で記述される複雑な体系で、それぞれの式が数千の項を含むこともある。これらの方程式は一般には解くことが できず、どうすれば量子論に拡張できるかわからない。しかし、重力の量子化が困難な理由は、もっと深いところにある。

 一般相対論による と、私たちが重力と呼んでいるのは、実は空間と時間の歪みである。地球が太陽を周回するのは、何らかの力で太陽につなぎとめられているためではなく、太陽 の質量によって歪められた時空の最短コースに沿って地球が進んでいる結果なのである。量子力学と重力を統一するというのは、時間と空間の構造を何らかの形 で量子化することになる。

 時間と空間の量子化と聞いても、それほど難しいことのようには思えないかもしれない。しかし、量子力学の基礎 である「不確定性原理」によれば、物理量は本質的にぼやけている。物理量はランダムに揺らいでおり、その値を定めるには観測、あるいはそれと同等のプロセ スを経るしかない。量子重力理論では、空間と時間が揺らぐことになり、物理学の足場があやしくなってしまう。固定された時空という背景がなければ、位置や 変化率といった物理学の基本量をどう定義してよいかすらわからない。簡単に言えば、私たちは量子的時空というのが何を意味するかがわからないのである。

  量子的時空という概念を確立しようとすると、様々な形で困難が現れる。その1つがよく知られた「時間の問題」である。私たちが観測する現実世界において、 時間は不可欠な概念である。物理学のほぼすべての理論は、宇宙のある一部分がどう時間変化するかを記述するものだといってよいだろう。だから、“時間”が 何を意味するのか、私たち物理学者はよく知っていてもよさそうなはずだが、恥ずかしいことにそれを知らないのである。

 ニュートンにとっ て時間は絶対的な存在だった。時間は自然界の外に独立して存在し、物質に影響を及ぼすが、物質から影響を及ぼされることはない。量子力学の通常の定式化 は、この絶対的な時間という考えの上に成り立っている。しかし、相対性理論は時間から絶対的な地位を奪った。異なる速度で動いている観測者にとって時間の 進み方は等しくなく、2つの事象が同時に起こったかどうかの判断さえ異なる。

 一般相対論によると、強い重力場のもとでは時計、そして時間とともに変化するものはすべてゆっくり進む。時間はもはや外から与えられたパラメータではなく、宇宙の中の出来事と密接に関わって決まるものなのである。

 宇宙の外に設置されていて変化のペースを刻む理想的な時計が存在しないなら、時間の進み方は宇宙の内部構造を用いて決められなければならない。しかし、いったいどうやって? 議論の出発点を見つけることすら難しい。

  時間の問題ほど知られていないが、それに関連した「観測量の問題」がある。物理学は実証可能な科学であり、理論は観測可能な量に対して検証可能な予言を与 えなければならない。通常の物理学では、観測量は特定の場所に属するとされる。“ここ”での電場の強さ、“あそこ”で電子が観測される確率といった具合で ある。“ここ”や“あそこ”という場所はx、 y、 zといった座標でラべリングされ、物理学の理論は、観測量が座標の値にどう依存するかを予言する。

 しかしアインシュタインによると、空間座標は人間が勝手に付けたラベルであり、宇宙で何が起こるかはラベルの付け方によらずに決まるべきものである。時空のある点を客観的に特定できないなら、私たちはそこで何が起こるかを知っていると言うことはできない。

  ユタ州立大学のトーリは、量子重力理論では局所的な観測量(値が時空の1点において決まる観測量)は存在し得ないことを示した。そのため、非局所的な観測 量(値が多数の点に同時に依存するような観測量)を扱うしかない。だが、そうした量をどうやって定義すべきか明らかでないし、ましてそれが私たちの世界に おける観測とどう結び付くのかもわからない。

 第3の問題は「宇宙がどのように生まれたか」である。無からいきなり誕生したのだろうか? 他の宇宙から分裂してできたのだろうか? あるいは、これらとはまったく異なる誕生の仕方だったのだろうか? いずれにしても、量子重力理論を考えると、それぞれに問題がある。

  関連する問題として、SF小説でおなじみの「ワームホール」がある。空間的、あるいは時間的に離れた2点を近道でつなぐトンネルのようなものは存在し得る だろうか。物理学者はこのアイデアを真剣に検討してきたが(過去20年間にワームホールについて書かれた論文は1000編以上に上る)、ワームホールが存 在し得るかどうかの決着はいまだについていない。

 最後の問題は、科学における最も謎めいた怪物「ブラックホール」に関するものである。 ブラックホールは時間と空間の究極の姿をのぞき見る最高の“窓”である。ホーキングは1970年代初期、ブラックホールが熱せられた石炭のように光ってお り、いわゆる黒体放射のスペクトラムを持つ放射を出していることを示した。

 ブラックホールを除くすべての物理系では、温度は微視的な構 成要素の振る舞いを反映している。例えば、部屋が暑いというのは、部屋の中の空気の分子が高いエネルギーで運動しているということである。ブラックホール の場合、“分子”に相当するのは量子重力に起因する何かだと考えられる。それは文字通りの分子ではなく、何らかの微視的構造(物理学者が「自由度」と呼ぶ もの)である。だが、その正体は誰にもわかっていない。

 物理学が科学として確立した当初から、自然界を統一的に記述することは常に大き な目標だった。ニュートンは、りんごを落下させる力が惑星を軌道につなぎとめる力と同じものであることを示した。マクスウェルは電気と磁気、光を「電磁気 学」という1つの体系にまとめた。さらにその1世紀後、電磁気学に「弱い核力」が加わり、「電弱理論」に統一された。アインシュタインは時間と空間を「時 空」という1つの連続体に統合した。

 現在この探求における最大のミッシングリンクは、重力と量子力学の統合である。アインシュタインの 重力理論、すなわち一般相対性理論は、宇宙の進化や惑星の周回運動、ニュートンのりんごの落下などを記述する。一方、量子力学は、原子と分子、電子と クォーク、原子核内部の素粒子の間に働く力などを記述する。

 だが、一般相対論と量子力学が適用されるべき領域、例えばブラックホールの ように重力も量子効果も強い領域では、2つの理論は両立し得ないように見える。両理論を統一して量子重力理論を構築しようというこれまでの試みは無惨にも 失敗し、意味をなさない答えを出すか、答えを出すことさえできないかのどちらかだった。10数人のノーベル賞受賞者を含む何世代もの物理学者が80年あま りにわたって格闘してきたにもかかわらず、量子重力理論はいまだに手の届かない所にある。

 物理学者に難しすぎる質間をした場合、たいて い「単純な設定で考えてみよう」という答えが返ってくる。物理学は、複雑な現実世界の特徴を部分的に捉えた単純なモデルを考えることによって前進してき た。量子重力についても同じである。重力が弱い場合の近似的理論やある種のブラックホールのような特殊な状況で成り立つ理論など、そうしたモデルでの研究 が多数行われている。

 その中でおそらく最も変わったアプローチが、空間の1次元をまるごと無視し、私たちの空間が2次元だと仮定した場 合に重力がどのように働くかを調べるというものだ(物理学者はこの状況を、空間2次元と時間1次元という意味で「2+1次元」と呼ぶが、以下では単に「2 次元」と書くことにする)。この簡単化された世界で重力を支配する原理は私たちの3次元世界にも当てはまると考えられるので、統一理論への重要なヒントが 得られるかもしれない。

それでは、以下の三つに分けて、2次元で統一理論に迫ることにしよう。

1)最初に、量子力学と一般相対性理論の統合は現代物理学の最も難しい問題の1つである。一部の物理学者はある単純化された設定でこの難題に挑んでいる。私たちの宇宙が2次元空間だとした場合に重力がどう働くかを調べているのである。

2)当初、2次元重力はつまらないもののように思われた。2次元空間では重力は大きく制限され、重力波が伝わることもできない。量子論を考えようにも、量子化すべきものが存在しないように思われた。

3)だが、2次元重力はそれほど単純ではないようである。連続体の中を伝わる波が存在しなくても、宇宙の全体的な構造は変化し得る。2次元の量子重力理論は、時間を持たない理論からどうやって時間が現れるかといった統―理論の謎に答えを与えている。
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sonokininatte55.blog.fc2.com/blog-entry-173.html
その木に成って55さんちから転載しました。


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2014年02月13日 | 宇宙 | トラックバック(0)件 |
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