欧米型の証明医療を実践されている
『リー湘南クリニック』李漢栄(医学博士)さんのブログ、
『院長ブログ・異端医師の独り言』より、転載させて貰います。科学が好きだと云うリーさんが、淡々と綴るこのブログは第一級の資料で、貴重な存在です。
☆☆『癌患者を救いたい―PSA検診のウソ 李 漢栄著 』 アマゾンで好評販売中貼り付け、開始。
2009年04月19日 ☆☆☆高コレステロール血症患者様は神様です 血中コレステロールの基準値は 150~219(mg/dL)とされ、コレステロール値が 220より高いと「高コレステロール血症」といわれ、下手をすると薬を飲まされる。
ところが、この基準値には科学的根拠がないのです。健康的なコレステロール値は 180~260で、180以下だと死亡率が高くなるということは一般に知られていない。日本では「高コレステロール血症」とレッテルを貼られ、必要のない薬を飲まされている人が大勢おります。

一昨年の NHKも「コレステロール値は低ければ低い方がよいと」いうものでした。頭の悪いディレクターが、「製薬会社の味方、業界代表・医学部教授」を取材源とするわけで、ほとんどの「健康番組」は業界の宣伝番組なのです。
医療業界の目的は他の業界と全く同じ、利益を確保すること。それには患者を量産すること、高コレステロール血症患者は神様なのですよ、健やかに一生お薬を飲んで頂けますからね。
そういえば、北里研究所病院(港区)時代(1990~1996年)、薬事委員会で、熊谷・内科医長(現・副院長)が「当院のコレステロールの基準値 220は世界的にみて高すぎる、200にすべき」と発言されたのを思い出した。
熊谷先生は、患者に人気があり、同僚からも信頼され、超一流誌、New England J of Medicineが机の上に積まれ、「リー先生も読んでいいよ」と言われ、私も信頼していましたよ。
後に、彼は NEJMを読んでいないこと知り、多少ショックを受けました。薬屋に持ってこさせていたのを積ん読だけでした。彼は製薬会社の示すデータを鵜呑みにしたのでしょう。患者さんは何を信じてよいのか…、私も騙されたくらいですから。 近藤誠・著「医原病」に詳しいです。
リー湘南クリニック (2007年2月の記事、短縮)
2009年05月23日
☆平均値 例えば、予備実験で10匹のネズミ中一匹の腫瘍が半分の大きさになったとすると、奏効率は 1/10で10%。本実験で100匹中 50匹の腫瘍が小さくなったとして、奏効率は50/100で50%。全体の奏効率は「(1+50)÷(10+100)」で、約46%。中学生でも分かりますよね。
北里研究所病院後半(1990~1996年)時代、久保田先生(故人)の愛弟子、S先生(慶応医学部卒)が、これを「(10% + 50%)÷ 2 = 30%」と計算していた。分母の数が異なる「%」の平均値を求めても意味をなさないと助言したが、「実験を繰り返すと、この平均値が真実に近づく…」とのべられ、あきれ果てた。
かつては土頭優秀だったのだろうが、この有様。ちなみに、S先生の手術は、ちまちま余計な操作が多く、結果、長時間かかり合併症が非常に多かった。受け持ち患者は少なかったが、合併症が多い分で売上をカバーしていた。北里研究所病院の HPを覗いたら彼は現在、外科部長・兼・人間ドック科医長、やれやれ。
リー湘南クリニック (2008年5月の記事、校正)
貼り付け終り。
- 関連記事
-
« ★命を託している医療・薬剤の実体が知りたい その21 l ホーム l ★命を託している医療・薬剤の実体が知りたい その19 »