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人生は死ぬまでの暇つぶし  自然にその日を迎えるまで、サバイバル(健康・経済・社会情勢・天変地異・・・)  真実、真相、本質、一を知りたい

★命を託している医療・薬剤の実体が知りたい その738    PSAスクリーニング

☆☆☆★★ さようなら、PSAスクリーニング

1996年ころから、欧州を中心に前立腺癌の手術(根治的前立腺全摘術)の有用性に疑問をはさむ論文を散見するようになったが、いずれも精度の劣る疫学調査だった。
 しかし、利益を甘受しえる集団から利益を放棄する意見に真理があると確信し、私は、1998年ころから前立腺癌の手術を放棄し、手術を前提とする前立腺生検 も放棄した。以来、PSA値がいくつであれ全員、無治療で経過を観察してきました。ようやく、2002年に早期前立腺癌に対する手術は、効果がないことが 証明された(天皇が前立腺癌の手術を受けたのが2004年、東大付属病院で:当ブログ参照ください。)

 欧州では、さらに一歩踏み込んで、PSA検査も不要(命を取る癌を早期に発見できない)という意見があがり、大規模な無作為化試験が行われた。結果、無 効と判明し、超一流誌に論文が掲載された。PSAスクリーニングと根治的前立腺全摘術・推進派のアメリカも、さすがに看過できず、下記の編集室コメントを 掲載するに至った。著者は、端端に「PSA検査や治療は不要」というメッセージを発信していますが、業界の利益を代弁るために、せめて「PSAテストと前 立腺生検はしましょう」と落とし所をちりばめています。

 さて、わが国「PSAスクリーニングを受けましょう」と TVなどでほざきだし、日本泌尿器科学会の厚顔無恥な重鎮とバカ専門医どもは、どう対処するのでしょうか? 見ものです、see what happenn。

★やっと、僕の長い(か短かかった)闘いは終わりました。何より、有害無益な手術をしないで済んだことは、僕の誇りです。そして大病院やマスごみの垂れ流す情報より、市井の開業医を信じていただいた患者さんたちのリタラシーに敬服します。

 今月号、米国泌尿器科学会誌の編集室意見の全訳です。例により≪カッコ内≫は、僕のコメントや解説。
What Would You Do, Doctor? (先生は、PSA検査を受けますか?)
Editorials Smith Jr.J.A. J. of Urology 182:421 Aug 2009

 選択の余地、あるいは論争のある勧告が示されると、患者は主治医に同じ立場にあるならどうするのか、尋ねることが多い。泌尿器科領域でどこにでもみられ るのは、前立腺癌治療より普及し、増え続ける、PSA≪前立腺癌特異抗原、前立腺が特異的に分泌するタンパク質で、一時、特異的腫瘍マーカーともてはやさ れた≫スクリーニングのメリットに関する決断である。ある者は 40歳以上のすべての男性は PSA検査を受けるべきと推奨し、他方、PSAスクリーニングに強く反対する勧告を前に、患者はどう考えるだろうか? 患者がスクリーニングの良い点と悪 い点(pros and cons)を熟慮し、自分で選択せよという勧告は、事態をより厄介にする。多くの患者が医者に、同じ立場なら「どうされますか」と尋ねるのは道理である。

 このシナリオの根本的問題は、同じ情報を提示されても、患者は異なる意思決定をすることである。個人の価値観、そして危険性と報酬の寛容さは、事実上す べての決断を部分的に左右する、そして、このことは、まさに個々の医療選択にも当てはまる。医師が行いたいことは、個々の患者の好みと必ずしも一致しな い。しかしながら、医師に求められているのは、率直さであり、感情を込めた薦め、そして賛否両論あるもつれたデータを解明するために、知識と経験を駆使す ることである。このことは、公正で理解しやすい期待であるが、実行するのは易しくない。

 最近 New England Journal of Medicine≪内科系の超一流誌≫に掲載された 2つの論文(文献1、2)は、関心の増す PSAスクリーニングの問題に焦点をあてた。これら論文は、前立腺癌は過剰診断(over diagnosed≪診断する必要のないのに診断すること≫)され、過剰治療(over treated≪治療する必要がないのに治療すること≫)されているが、それら知識は PSAテスト出現に先んじていたことを医師たちは初めて学習しているという印象を醸しだす。ここ数十年、米国泌尿器科学会雑誌(The Journal of Urology) や他の雑誌で、多数の論文がこの重要な問題をとりあげ、繰り返し、より正確な予後因子の発見を促してきた。この 2つの大規模無作為試験に関して、多数の価値ある批判があり、今だ、盃の半分は満たされ、半分は空の見方のようだ。それにもかかわらず、これら論文の決定 的な観察結果は、10年におよぶ観察期間中、前立腺癌で死亡した患者は少数だったことである。

 しかしながら、前立腺癌で死亡する患者はいる。実際、米国では今年、約 3万5千人が前立腺癌で死亡するだろう。改善されたスクリーニングや治療が、死亡率を低下させてきたかは、他の論争のテーマであるが、前立腺癌の実質的有 病率、死亡率、そして社会的コストは論争しえない。さらに、すべての泌尿器科医は、スクリーニングの恩恵に浴すると思われる患者を発見しえる。例えば、 PSA値が高値で、Gleason 8≪採取した前立腺組織から前立腺癌の悪性度を、顕微鏡で判定する古典的な方法; 転移する癌か否かは判定できない≫の 58歳男性が、術後 PSA値が何年も検出限界以内に推移した場合を考えてみよう。確かに、この男性は、放置すれば致死的だったかもしれない癌から治癒した。問題は、この患者 は致死的でない癌の治療により、QOL≪生活あるいは人生の質≫を損ねる可能性である。だから、リスク・対・報酬難問に直面する。致死的であるごく少数の 患者を治癒させるのに、非常に多くの患者に治療を受けさせる価値があるのか?

 欧州無作為化試験(文献2)は、1例の前立腺癌を治癒させるのに必要な症例数を算出した。この数字は、患者を区別なしに適用すれば適当なのだろうが、医 師が各患者の健康および癌の危険因子を考慮して、患者を選択すると≪そんなことは、不可能だし、バイアスが入る≫、成績が向上する可能性がある≪ハテ、無 作為化試験の結果を順守するのが「証明医療」、近代医学の定義である。科学を冒涜するのか≫。だから、どの比率が受け入れ可能なのか?

 アメリカ人の約 1/4は喫煙者で、喫煙の対価(あるいは必要性)は、深刻で証明済みの健康被害を凌駕しているようだ。シャツのポケットにタバコを入れ、毎年 PSA検査に訪れる男性の心理状態は、時に理解に苦しむ。それにもかかわらず、多くの男性は前立腺癌スクリーニングを望み、少数は、PSAは前立腺癌発見 に有用だろうと説く。

 ひとたび診断が確定すれば、スクリーニングと治療の最適な折り合い(governor)がつくと思われる。この問題への関心の高まりがもたらす効用は、 積極的スクリーニング戦略が適切なら、より多くの患者が参加したいということである。しかし、間違いなく、前立腺癌と診断されると、治療は「いかにも正し く行われ」、いわゆる破滅にいたる道(a slippery slope)への連鎖反応をおこす可能性がある。PSAスクリーニングに関して賢明な助言を与えるより、泌尿器科医にとり重要なのは、適切な観点から患者 に前立腺癌の診断をくだすのを助け、不必要な治療へ導く、癌に関し過度の不安を与えないことである≪ハテ、治療が不必要なら、その前提となる前立腺生検も 不要なはず。前立腺生検は、一回当たり 300ドル(1992年当時)、数こなせば、結構な小遣いになるからか?≫。適切なカウンセリングと助言を与えれば、そう破滅的な結末にならない(the slope does not have to be so slippery)。

 ほとんどのガイドラインは、患者と PSAスクリーニングの良い面と悪い面を話し合うことを推奨している。このアプローチの単純さと実行不可能性は、男性に正しく情報を伝えるために、それこそ週末を通したセミナーを必要とするであろうP.C. Walshを 筆頭に、米国泌尿器科学会(AUA)が患者を教育(洗脳し)、「PSA検査→根治的前立腺切除術」を普及させておいて、何を今さら。≫。多き忙な臨床業務 と患者の多さは、関連する問題点の十分な討議をおよそ許さない。それにもかかわらず、一つのサイズがすべてに合うわけではないという認識は、前立腺癌スク リーニングを患者毎に個別化して行う権限を付与する。

 それでは、先生はどうされますか? 医師たちが、どの位の頻度で PSAテストを受けているかという内輪話(confidential queries)を知ることは、常に有益である。泌尿器科専門医でさえ、驚くほど多くの医師は PSAスクリーニングを受けていない。しかしながら、ほとんどの泌尿器科医は、癌を恐れていた患者を診察し、スクリーニングで治癒した例、同様に前立腺癌 で死亡した患者を経験している。治療するか、あるいは無治療様子見かの決定は、癌が発見されてからくだせる、しかし最初にそれを知らないと背水の陣をしく ことになる。

(文献1)Mortality results from a randomized prostate-cancer screening trial. N Engl J Med 360:1310 2009
(文献2) Screening and prostate cancer mortal ity in a randomized European study. N Engl J Med 360:1320 2009

リー湘南クリニック leeshonan@gmail.com  拙著「癌患者を救いたい PSA検診のウソ」(正誤表)(2009年8月の記事、小校正)

blog.livedoor.jp/leeshounann/archives/51567414.html
敬愛するリー先生ちから転載しました(赤文字着色、改行は勝手にやりました)。


*小沢代表の無罪確定=指定弁護士が上告放棄―陸山会事件
国民の生活が第一

「脱原発・反消費税・反TPP」です!!

・千早さん 『止めろよ原発!』 - みんなで歌おう 反原発ソング


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