第一級資料の宝庫、
リー湘南クリニック院長ブログ『異端医師の独り言』さんより転載貼り付けします。貼り付け開始。
医学、科学論文の要約 2010年01月12日
☆☆睡眠とアルツハイマー病 私、最近、一日 7~10時間ほど眠れ、うつ病か、眠り病(アフリカに行ったことがないので、これは否定的)か、ボケの始まりかと案じていた。そこで出くわしたのがこの論文。要旨を紹介します、ノーベル賞級の論文です。
≪カッコ≫内は僕の解説。
脳内、脳細胞外空間
≪脳間質≫に βアミロイドが蓄積するとアルツハイマー病をひき起こすと考えられている。
βアミロイドは、単一成分からなる可溶性ペプタイド
≪単一の遺伝子がこさえる、水に溶ける短いアミノ酸のつながり≫で、主にニューロンで産生され、毒性のあるβアミロイド集合体(oligomers、prptofibrisls、fibrils)は濃度に依存する。
シナプスの活動性が βアミロイドの産生を統制する。しかしながら、いかに生理的そして環境的因子が βアミロイドの統制に関わるかは、不明だった。動物を用いた睡眠-覚醒実験の結果、脳内間質中の βアミロイド濃度は、覚醒と正の相関を睡眠と負の相関
≪よく寝ると、βアミロイド濃度が低下する≫を示した。
さらに、ヒト βアミロイド前駆タンパク質遺伝子を導入したマウス(human APP
≪遺伝子は斜体で記す≫transgenic mice=Tg2576 mice)で、3週間睡眠剥奪したところ(12時間睡眠するところを、6時間睡眠させた)、βアミロイド集合体の蓄積を著しく加速した。
ヒト様で、10人の若いボランティアの脳脊髄液を 33時間観察したところ、βアミロイド濃度は睡眠中に低下した。
だから、睡眠-覚醒は、βアミロイド濃度と関係し、異常な睡眠
≪睡眠不足、短時間の睡眠≫はアルツハイマー病発症と関係すると考えられる。
Kang J-E. et al Amyroid-β Dynamics Are Regulated by Orexin and the Sleep-Wake Cycle(βアミロイド動態は、オレザインと睡眠-覚醒サイクルにより統制されている) Science Nov 326:1005 2009
よほど暇な方は、
全訳をどうぞ。
貼り付け終わり。
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