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★命を託している医療・薬剤の実体が知りたい その127   ▽転移性腎癌における、無病生存をエンドポイントとした評価?

 第一級資料の宝庫、リー湘南クリニック院長ブログ『異端医師の独り言』さんより転載貼り付けします。貼り付け開始。

一流論文の全訳  2009年03月25日
▽転移性腎癌における、無病生存をエンドポイントとした評価?
一番下に、僕の結論を記しました、よほど暇な方は、反面教師としてお読みください。
≪カッコ≫内は僕の解説。

 癌患者にとり治療のメリットは、寿命の延長あるいは生活の質(QOL)の向上で、エンドポイントはこれらを予見できるものが望ましい。抗腫瘍活性示された薬剤については、迅速な評価と早期の市場化を望む声が多い
 無病生存(PFS: progression free survival)というエンドポイントは、伝統的なエンドポイントである・奏効率にとってかわられつつあるが、かかるエンドポイントが正当であるという確証はあるのか?

 認可前に新薬の安全性と効果を確認することが規制機関の役割りだが、これらのエンドポイント(奏功率と PFS)に慎重である≪当たり前、DFSが延長しても OSが大幅に延長しなければ意味がない≫

 転移性癌の治療に選択肢は少なく、プラセボ対照化試験での総生存期間(OS)の改善が好ましいが、この試験はプラセボに振り分けられた患者に生物活性のある≪可能性のある≫薬剤での治療のチャンスを奪うという倫理的問題がある;そのためクロスオーバー試験≪患者も研究者も何の治療を受けているかを知るのでバイアスがかかる≫がおこなわれるが OSを曖昧にする。

 本日のランセット、Motzer R.らは、このジレンマの好例を示した。標的化・治療(sunitinib、sorafenitib、時に両者≪治療薬として認可された抗体のこと≫無効の転移性腎癌患者における Rapamycin(mTOR)阻害剤、Everolimusのプラセボ・対照・無作為化・盲検・第Ⅲ相試験を報告した。

 これら標的化・治療は、転移性腎癌で有効性が示されている。この臨床試験は、重要な臨床的そして科学的疑問に言及した:この疾患で、連続しておこなう標的化・治療は有効か?

Motzerらは、everoliums群ではプラセボ群に比べ、有意に≪95%以上の確率で≫ PFSが改善することを示した。

 病気進行あるいは死亡率の 70%減少(Hazard率0.3)は印象的である。しかし、この試験は mTOR阻害が OSを改善させえることを示していないし、あるいは最適な薬剤の組み合わせも示していないが、everoliumの抗腫瘍効果を支持する証拠となる。本剤が認可されれば、広く処方されるだろう。

 本試験はの第一のエンドポイントは PFSで、プラセボから everliumへのクロスオーバーである。
第二のエンドポイントは OSであるが、クロスオーバー試験なので差が出にくいように思われる。

 腫瘍縮小はほとんどみられなかった≪腫瘍縮小は、everlium群で 1%、プラセボでゼロ≫両群間で QOLの改善に差がなかった。それで、有効性を計る他のエンドポイントなしに、本試験での PFSが価値あるものと確信してよいのか?

 OSは≪臨床試験で≫エンドポイントとして広く採用されつつある。他のエンドポイントで有効性が示された薬剤が、米国・FDAおよび EMEA(European Medicines Evaluation Agency)で抗がん剤として認可されてきた。進行性卵巣癌では、PFSは、OSと相関するようにみえ、専門家達はエンドポイントとして認めている。

  Sargentらは、大腸癌で 3年無病生存(DFS)が 5年 OSの代用となることを確認したが、確認には 18の第Ⅲ相試験、二万人の患者をプールしたメタ解析のこと、ただしこの解析の信憑性にも疑問の声がある(詳しくは、当ブログ「食塩2」を参照ください≫

 反対に乳癌では、2年 DFSは不完全なエンドポイントであった、これは恐らく再発後、複数の治療が生存期間に影響を及ぼしたためと思われる。転移性腎癌において DFSが OSの代用となるか確たる証拠はないが、ポジティブな臨床試験が最近の現象で、≪卵巣癌のように≫病勢進行後の治療選択肢はほとんどない。

 表に最近の転移性腎癌を対象とした 6つの第Ⅲ相試験を示す。試験は異なる集団を対象としているが、新しい 4つの試験では、DFSを OSの代用にしている。

 Hudeらと Negrierらは、OSをエンドポイントとし、一方の試験では OSの改善あり、もう一方はなしだった。両方とも DFSは OSと相関した。

 他の 2つの試験では、プラセボ群の治療群へのクロスオーバーのため OSは予想と反した結果になった。これらは、厳格に倫理的に施行された試験で、独立したデータ分析と安全監視委員会によりクロスオーバーが義務化されていた。

 もう 2つの試験は、いったん PFS≪DFSのこと≫の有意な改善がみられてから治療群へのクロスオーバーのため、OSの結果は、曖昧になった。

 法的にそして倫理的に施行された試験で、独立したデータと安全性モニター委員会によりクロスオーバーが指示された。クロスオーバーした患者を分析から除外すると OSは有意に改善した、そしてそのような分析は、クロスオーバーしない無作為化試験より精度が低いとみなされるべきである、しかし転移性腎癌で DFSと OSの相関を示す合理的なエビデンスとなる。

 DFSをルチーンに用いるのは容認できない。しかしながら、臨床試験を計画するとき、それぞれの臨床的背景を慎重に考慮する必要がある。Motzerらは、倫理的、統計的、そして実践的考慮のバランスが everolimus試験のデザインを駆動したと述べる。

 mTOR阻害剤は転移性腎癌に有効であるという傍証があり、そして研究者たちはすべてのプラセボ群の患者をオープンラベル≪患者も研究者も治療内容を知ること≫everolimus群にクロスオーバすることが倫理的に必要と信じた。

 クロスオーバの前に PFSは予想に反する結果がでにくいエンドポイントである。そのような確たる統計を前に、プラセボ群の患者を PFSを改善する薬剤へのクロスオーバーを拒否するのは、倫理的に疑問である。これらデータの全体性食塩論争のときとの、インターソルトと同じだわね≫は、Motzerらの試験デザインを支持する。

 私は、国際規制ボードにこれらデータを標的化・治療無効の転移性腎癌患者における everoliumの有用性を示すデータとして認容するよう推奨する。≪要は、効果のない薬を認可しろという、屁理屈、暴論≫ 

リー湘南クリニック  (2008年9月4日の記事、校正)

貼り付け終わり。
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