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★命を託している医療・薬剤の実体が知りたい その126   ☆☆☆カプラン-マイアー生存率曲線からCIs使用に関する警鐘

 第一級資料の宝庫、リー湘南クリニック院長ブログ『異端医師の独り言』さんより転載貼り付けします。貼り付け開始。

一流論文の全訳
☆☆☆カプラン-マイアー生存率曲線からCIs使用に関する警鐘

という論文*の全訳です。≪カッコ内≫は僕のコメント。≪ちょいと難しいが、超一流の内科誌に掲載された「肺がん検診の有用性を示唆した論文**」を、推計学的見地から論破した内容≫

Event出現までの時間や生存率分析は、医学雑誌のホチキスとも言え、統計学の教科書や臨床雑誌で徹底的に論議されている。この警告論文を記した動機は、The International Early Lung Cancer Action Program(I-ELCAP)による第Ⅰ期肺がん早期発見のためのCTスクリーニングの有用性に関する論文**、そして悪しきことを広める医学雑誌にまき起こった論争に由来する。
この知見に関して、様々な有益な懸念が表明されたが、もう一つの懸念がある、推計学的見地からの懸念であり、データの解釈についてである、それは未だ議論されず、データの解釈に関し更なる、洞察を加えうる。

従い、この警告は、報告された10年・推定生存率の CI≪confidence interval、信頼区間のこと≫の価値を検証し、推定生存率とその CIの過大評価を鎮める示唆をあたえる。

 生存データを分析する時、生じえる考察のより公式的な検証の前に、動機づける例を詳細に検証する必要がある。I-ECAP研究は、約 32,000人の肺癌リスクのある無症状の被験者を、1993年から 2005まで、低線量 CTでスクリーニングした。

484人が肺がんと診断され、フォローアップの中央期間(median duration)は 40ヵ月≪平均値(mean)だと、極端に短いあるいは長いデータが全体に影響を与えるので、中央値を用いる≫(1~123ヵ月)。計 302人が手術を受け、これら患者の 10年生存率は 92%(95% CIは、88~95%)と推計された。この警告が説明するように、この CIは不適切である。

 I-ELCAP研究は、生存率を評価するのに非線形 Kaplan-Meier法を用いた、だからデータは正しく解析された。特に、中央観察期間は 40ヵ月で、6年間の観察後、リスクを有する被験者が約10%いた。

I-ELCAP論文は「材料と方法」で特に言及していないが、SASにおける Kaplan-Meier生存率曲線を算出する手順である、PROCLIFETEST(SAS Institute)における不履行公式(default formula)なので、生存率の SE≪標準誤差≫は、Greenwood法で計算されたと推察される。

Kaplan-Meierと Greenwood法は、Eventが生じたとき(I-ELCAP研究では、死)のみ推定する共通の属性修正をもつ≪何のことか、さっぱり分からない≫。平たく言えば、推定された生存機能と SEは、次の eventがおこるまで、直近の eventと関連した数値として残る。続いておこる eventは、推定生存機能を低下させる、だから Kaplan-Meier生存率曲線は、お馴染みの右肩下がりを呈す。

 推定・生存曲線を解釈するとき、リスク集団(risk set)の数が少なすぎないか確認すべきである。小さなリスク集団は、推定値に大きな変化をもたらし、解釈を困難にする。さらに、もし治療が死亡時期を遅らせると期待されるなら、適切な経過観察期間を得られるように注意が必要である。

すなわち、推定された生存可能性と CIが直近の死亡例から、十分に時間が経過しているか慎重に吟味する必要がある、特にリスク集団が小さく、大多数の治療例が検証されたときには。

 I-ELCAP研究から、この警告の非常に単純なイラストレーションを描ける。特に、リスクがある患者 302人のうち、たった一例だけが 10年(123ヵ月)観察され、もしこの患者がたった一ヶ月後に死ねば、124ヶ月目の推定生存可能性はゼロに(Kaplan-Meier積は、推定値を制限するので、S (124) = 0.92 x (1 – 1) / 1 = 0)、また、SEもゼロと推計されるので、CIも 0から 0になる。

これらの推計は、I-ELCAP研究で報告された 10年生存率≪92%≫と正反対である。明らかに、データを解釈するさい、たった一例が結果におよぼす影響を考慮すべきである。

 推定・生存率とCIが誤解を招く可能性に照らして、普遍的な勧告が可能である。リスク集団が小さい時、Kaplan-Meier生存分析からえられる推定値は注意深く解釈されるべきである。Pocockらは、生存率曲線描写に関し、リスク集団は eventを経験していない被験者の少なくとも 10~20%であることを確認すべきと勧告する。

この示唆は、I-ELCAP論文にも当てはまる。さらに、Kaplan-Meierそして Greenwood分析法両方でリスクセットが小さい時(まあ、30以下)注意すべきである、なぜなら、両分析法とも大きなリスクサイズを必要とする無症候セオリーに依存しているからである。リスク集団が小さくなると、数式を駆動する無症候説は根拠を失い、だから推定値には疑問符が付く。

 I-ELCP研究で肺を切除された患者という文脈で、全コホート≪経過を観察されている集団のこと≫で中央観察期間はたったの 40ヵ月、302人中一人だけが 10年以上観察され、10年生存率を推測するには限界がある。リスク集団は、5年過ぎると毎年劇的に減少している。

したがい、引用された92% (CI、88~95%)10年生存推計は、実際は 4ないし 5年生存率をあらわし、大きなリスク集団の長期フォローが、手術が 10年生存率に与えるインパクトを理解するのに必要である。

*Henschke CI et al : Cautionary Note regarding the Use of CIs Obtained From Kaplan-Meier Survival Curves J. of Clinical Oncology 27:174 2009
**Cecchetto G et al: Survival of patients with stage I lung cancer detected on CT screening NEJM 355:1763 2006
***SAS Institute Inc: SAS/STA User’s Guide, Version 8. Cary, NC, SAS Institute Inc, 1999

★より、リーズナブルな生存率算出法は、こちら
リーせんせい1
リーせんせい2(李ら 北里医学 10:6、1980)。僕が書いた論文だが、いま読み返して、何のことかさっぱり分からないね。翌年、この論文の文言はすべてこのまま、数値だけをおきかえた論文を一般医学雑誌で観た。派手なことをするものだと思ったものだ。今は、パソコンで統計処理するから、生存率の中身を知る医者は少ないだろうね。
(2009年2月5日)


貼り付け終わり。 
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