「ウィズコロナ」という言葉も出てきているにもかかわらず、いつまでもコロナは怖い、怖いと言い続けている日本のマスメディア。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では現役医師で作家の和田秀樹さんが、致死率が高くなっている原因や、自身がコロナにかかった際の経験を語り、この状況から出てくる「更に大きな問題」について持論を展開しています。
いつまでもコロナを怖い病気にする国
玉川徹氏がいなくなっても、モーニングショーはコロナを怖い病気にしないと気がすまないようだ。
死者数が過去最高になったなどと騒ぐ。
死者の9割以上が高齢者ということだが、だとすると1割近くが高齢者じゃないということになる。しかし、次のグラフをみると4割弱が90歳以上、4割が80代、で高齢者はなんと97%以上だった。
さすがに我らの松本哲哉大教授も、致死率が高すぎるので、陽性の登録をしている人が少ないのではないかと論じていた。
私もそう思っている。
中国では、都市部だと人口の半分くらいがコロナ罹患者と言われるが、日本も2~3割はいそうな気がする。
というのは、私自身、2022年の秋以降、1回抗原検査陽性になり、それが陰性になってから、1~2か月の間に、今度はPCR陽性になってしまった。
まったく無症状なので、自宅でおとなしくしていたが、周囲に面倒をかけたくないので登録はしていない。ここから類推すると無症状で検査をしていない人も合わせると、今コロナ罹患者に登録している人の10倍やそこらの感染者はいるはずだ。
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さて、私は無症状と言ったが、60歳を過ぎた高齢者の一歩手前で、ほっておくと朝の血糖値が600をこえ、今も300前後でコントロールし、血圧もほうっておくと200を優にこえ、170くらいでコントロールし、そのうえ、心不全もある基礎疾患のデパートのような人間である。ワクチンも2回しか打っていないし、2年近く前の話だ。それでも、まったく無症状なのだから、怖い病気とは思えない。
インフルエンザは一冬に1,000万人近く罹患しているが、関連死も合わせると1万人くらい毎年亡くなっている。1,000人に一人が亡くなり、若い人も死ぬ。
おそらくはコロナのほうが怖くないのは間違いないだろう。
いずれにせよ、長寿化、高齢化している日本では、大したことのない感染症でも亡くなる人はたくさんいる。90歳以上が200万人、要介護5の高齢者が60万人いる国なのだ。
外国に一度でもいけば、ほとんどの人がマスクをしていないことが痛いほどわかる。
こうして、テレビをみてビビる高齢者が(さすがに若者はネット情報もあるし、周りの人間がみんな無症状なのでビビりはしないだろう)外に出ようとしない現状が続く。
2年後、3年後の要介護高齢者が激増して、誰が責任をとるのだろう?
集団訴訟が可能なら、国の煮え切らない対応やテレビの脅しや調子にのるコメント学者に、要介護高齢者が増えて、年間少なくとも4兆円程度の公的介護費用が増えることで増税の代わりに彼らの賠償金で賄う判決がでれば、こういういい加減な姿勢の番組ができないのだが、その望みは限りなく低い。
実際、毎年100人が拒食症で死んでもやせすぎモデル・タレントを使い続け、年間3万5,000人のアルコール関連死が出ても、WHOの韓国に従った形の飲酒CMをやめず、それに対して、一度たりと訴訟が起きていない国だから。
※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2023年1月14日号の一部抜粋です。
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高齢者を専門とする精神科医、学派にとらわれない精神療法家、アンチエイジングドクター、そして映画監督として、なるべく幅広い考えをもちたい、良い加減のいい加減男。