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https://karapaia.com/archives/52315105.html 人間の主観的な体験は、心臓が止まった瞬間に即終わりになるわけではないのかもしれない。
ここ10年の間、科学者は死が脳をどのように克服するかについての洞察を得るために、
臨死体験(NDEs)を調査している。
臨死体験をした人の中には、医学の専門家が臨床的に死んでいるか、意識がないと診断しても、自分の回りで何が起こっていたかを正確に報告できる人もいる。
臨死体験の背後にある正確なメカニズムは不明のままだが、これまでの研究によると、呼吸と心拍が停止した後の2~20秒間、意識が保たれているという。自分が死んだ状態であることを自覚できるということになる。
心臓が止まった瞬間、心の中では何が起きているのか?
心拍を打つ電気インパルスがストップする心停止に陥ったときが、死亡時刻だとされている。その結果、心臓は活動するのをやめ呼吸も止まる。心臓が停止するこの瞬間こそが、その人が死んだことを明確に示すものだと、医療専門家は考えている。
だが、こうしたプロセスの中で、心の中ではなにが起こっているのだろう?
死は、すぐに私たちの主観的な体験(意識)もシャットアウトしてしまうのか、それともゆっくり徐々に終わりになっていくものなのだろうか?
この数十年、研究者たちは臨死体験を研究し、死がどのように脳に終焉をもたらすのかを研究してきた。
そしてわかったことは、驚くべきことだった。
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死ぬ直前、脳内で異常な電気活動
死ぬ直前、脳の中に大量の電気サージが流れ込むというのだ。
2013年に行われた研究では、ネズミの脳内の電気信号を調べたところ、ネズミは死の直前に超警戒モードに入っていることがわかった。
血流の減少によって引き起こされる臨死体験と、脳内での異常な電気活動とが連結したと考える研究者もいる。
臨死体験でよく言われる白い光のトンネルは、この異様な神経活動から出てきたものかもしれない。
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臨死体験の直後、周りで起きていることがわかっている
ニューヨーク大学ランゴン校の救急救命・蘇生研究部門のサム・パーニア博士らは、脳がどのように死ぬのかをはっきりさせようと研究してきた。
これまで、パーニア博士は動物実験で、死の前後の瞬間を調べ、さらに臨死体験の調査もしてきた。
臨死体験者は、自分が部屋を浮遊していたり、医師や看護師たちが自分の体のまわりで医療行為をしているのがはっきりわかると話すことが多いのです。
また、医師たちの会話もすべてちゃんと聞こえていて、なにが進行しているのかもわかっていますが、医師たちにはそれはまったく知られていません
心停止後、2秒から20秒は意識が残っている可能性
しかし、物理的に死んでいる人が、どのようにして、まわりで起こっていることを認識できるのだろう?
呼吸や心拍が止まった後も、2秒から20秒は意識は残っていると、パーニア博士は言う。これは、酸素がなくても大脳皮質が持ちこたえられると考えられている時間だ。
大脳皮質は思考や意思決定を行う場所で、五感から集めた情報を読み解く役割も担っている。
この2~20秒の間に、咽頭反射、瞳孔反射など、脳幹反射のすべてが失われる。
大脳皮質からの脳波は、まもなく検知されなくなるが、それでも私たちの思考器官が完全に停止するのに、数時間かかることもあるという。
心臓が止まったらたいていは、CPR(心肺蘇生法)がほどこされ、脳の通常の働きに必要な酸素のおよそ15%を供給することができる。
CPRによって、なんとか心臓が再稼働すれば、徐々に脳の機能も回復し始める。CPRを行う時間が長いほど、脳細胞の死はまだ続いていても、その速度がわずかに遅くなる。
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臨死体験者を調べることで蘇生技術の向上につながる
また、パーニア博士らは、心停止を起こしたが生き返った、多くのヨーロッパ人とアメリカ人を臨死体験者を調査した。
人間の愛の体験の質的な性質を研究しているようなもので、私たちは死を迎えるという体験の特徴を明確に理解しようとしているのです。
これは、私たちが皆、死ぬときに体験する普遍的なものを反映していると理解しているからです
この目的のひとつは、心停止のときに、死と再生の両プロセスを経て、脳がどのように反応、作用しているのかを観察することだ。
脳が再生するのに、具体的にどれくらいの酸素が必要なのか? 再生後、脳はどのような影響を受けるのか?
どこにその境界線が引かれているのかを知ることで、蘇生技術がさらに向上し、もっと多くの命を救うことができるかもしれない。
同時に、死という文脈の中の、私たち人間の心と意識についても研究しています。
意識は臨床的な死と共に、たちまち消滅するのか、それとも死後も一定期間続いているものなのか、それが脳の中でリアルタイムに起こっていることと、どう関係しているのかを理解するためなのです(パーニア博士)
References:After death, you’re aware that you’ve died, say scientists / written by konohazuku / edited by / parumoあわせて読みたい
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