貼りつけ開始
▼▲▼▲Nネクスト・エクスプレス Vol.140 【中編】▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲★==========
2022年4月23日付
(前号、
139号【前編】からの続きです)
アメリカ、イギリス、ヨーロッパ諸国の西側(NATO)陣営から、ロシアへのもうひとつの「経済制裁」は、ロシアの政府や企業、国民を、「SWIFT(スウィフト)」という国際決済システムの送金ネットワークから、排除することです。
これで、ロシア企業が、資源や商品を他国へ輸出しても、輸入した外国からの貿易決済の支払いを受け取ることができなくしました。
つまり、ロシアが、他の国々への輸出することができなくなる。ロシアとの貿易取引を封鎖することが狙いです。これで、ロシア政府や企業は、米ドルやユーロなどの「外貨」を獲得することができなくなります。
ロシア側にドルやユーロなどの主要な「外貨」がなくなるから、ロシアが外国から何かを輸入したくても、外貨での支払いができなくなります。外国への外貨建ての利払いなどもできない。こうして、ロシア国内の経済を干上がらせる制裁です。
しかし実際のところ、こうした経済制裁の措置には、「抜け道」が残されています。
ロシア最大の銀行である「ズベル・バンク」と、それから、外国がロシアから「天然ガス」や「石油」などの資源を輸入した場合の貿易決済を専門に請負う「ガスプロム・バンク」という二つの銀行は、このSIWFTから排除されていません。
それは、ヨーロッパ諸国が、いまだに天然ガスと石油を、ロシアから輸入し続けているからです。
だからロシア政府は、西側からの経済制裁への対抗策として、ロシアから輸出される天然ガスや原油などへの支払いは、すべてロシアの自国通貨である「ルーブル」で支払え、と要求し始めました。
この「ウクライナ戦争」で、いまもっとも滑稽(こっけい)なことは、ドイツやフランスなどヨーロッパ諸国が、ロシアからの天然ガスや石油を輸入し続けておきながら、そのいっぽうで、アメリカに言われてしぶしぶ、ロシア政府(中央銀行)のユーロ資産を凍結させたりというロシアに対する「経済制裁」をやっている、という事実です。
ヨーロッパ諸国は、ロシアに対して強烈な経済封鎖をこの2ヶ月近く続けてきました。
ところがなんと、ドイツもフランスもいまだに、その同じロシアから、シラッとした顔で、天然ガスと石油を購入し続けています。
ドイツのショルツ首相(1958 - )などは、「天然ガスのロシアへの依存は、何とか年内には6割くらい減らせそうだ。しかしゼロにするには長い時間がかかりそうだ・・・」とか、「ロシアからの石油の輸入ならば、何とか年内にゼロにできそう・・・」などと、
モゴモゴあいまいな発言しています。
【参考記事】
●「年内のロシア産石油の輸入打ち切りは可能、ドイツ首相」CNN 2022年4月9日
https://www.cnn.co.jp/world/35186093.html ヨーロッパ諸国が、アメリカに騙(だま)されて、対ロシアの「経済制裁」引きずり込まされて共犯(共謀)にさせられている、という実態が分かります。自分たちの「矛盾」に気付いても、もうやめるわけにはいかなくなっています。アメリカにまんまとヨーロッパを「戦場」にされて、このまま、ロシアとの戦争に突き進むことになります。
もちろん、ドイツもフランスも、ロシアの「ルーブル」での支払いは拒否しました。いまだにユーロや米ドルで支払い続けています。
しかし、ロシア側はさらに対抗します。ドイツやフランスが、ユーロやドルで送金をしてきた貿易の決済代金を、受け取った瞬間に、ガスプロム・バンクの銀行のなかで、強制的に「ルーブル」に転換するということをやっています。
そのあとそのルーブル通貨で、ガスを輸出したガスプロム社の口座へ、さらに転送して払い込む、という荒業(あらわざ)をやるようです。
だから、ロシアの「ルーブル」も、一度は半値くらいに暴落し、3月初旬には「1ドル=135ルーブル」くらいまで下落していたのが、半月ほどで、「1ドル=80ルーブル」という、ウクライナ侵攻前の、もとの値段(通貨レート)にもどっています。
以下の、ロシアのニューズサイトの記事に、ヨーロッパ諸国からの「ユーロ」や「ドル」の天然ガス代金の支払いを、強制的に「ルーブル」に両替していることが書かれています。
(転載貼り付け始め)
●「ロシアはガスの禁輸措置に踏み切るか?」By アンドレイ・イルヤシェンコ
スプートニク日本版 2022年4月4日
https://jp.sputniknews.com/20220404/10527688.html3月31日、プーチン大統領はパイプラインで行うロシアのガスの輸出について、4月1日からルーブル決済に移行するよう大統領令に署名した。これは「非友好国」を対象にしたもので、欧州の国々が対象である。ロシアの求める方法で決済しなければ、ロシアからのガスが止まる可能性がある。
(中 略)
3月23日、プーチン大統領は初めて、非友好国に対するロシアのガスの支払いをルーブル決済にするという決定を表明した。これは西側がロシアの資産を凍結したからであると説明。大統領はまた、反ロシア制裁が行われている状況では、ガスの貿易から生じるリスクは、ロシアにとって受け入れられないものであると強調した。
G7と欧州委員会はこれに対し、ガス代のルーブル支払いに対するロシアの要求は、ユーロ及びドル建ての契約に明らかに違反していると見なし、企業にそれを遵守しないよう促した。
ともかくも、プーチン大統領は妥協案を含む新しい手順を導入した。非友好国であるガスの買い手は、外貨で資金をガスプロム・バンクに送金する。ガスプロム・バンクは、市場でルーブルを購入しガスプロム・バンククなルーブル口座に送る。まさに、ガスプロム社に向けての支払いは、この口座から送られることになる。これは、対ロシア制裁を破るものではない。
プーチン大統領はまた、この提案されたスキームでのガス支払いを拒否する場合は、ガスを送らないことを強調した。
(中 略)
世界に対して自身の経済的優位性を誇示している西側からすれば、この制裁戦争とも言うべき中で、うまく逆制裁をしているロシアに対して何らかの譲歩をするということは、受け入れられるものではないのだ。
しかし遅かれ早かれ、譲歩を受け入れざるを得なくなるだろう。実際、ロシアだけでなく他の輸出国でも、支払いを自国通貨に変え始めるという先例が作られている。特に、サウジアラビアはこの問題について中国との協議を開始している。ロシアとインドの間でも、同様のスキームが協議されている。
3月31日に発表されたファイナンシャルタイムズとのインタビューで、国際通貨基金(IMF)の第一副マネージングディレクターであるギータ・ゴピナート氏は、米ドルは現在の条件下においてもグローバル通貨であり続けるが、よりローカルなレベルや二国間取引など、参加者が限定される場合は、別の通貨での取引に移行する可能性があると指摘した。これは全く米国の利益に反することである。
ロシアにとって今回の措置に踏み切った主要な理由は、ガスと石油の輸出から利益を得ても、将来の凍結されてしまう可能性があるため、そのリスクを排除したいということがある。
かつてイランやイラクに経済制裁が行われた際、両国には特別な口座が用意され、そこに原油販売の対価が送られていたが、その口座から引き出す資金は国民が必要な薬などの緊急輸入のためにしか使えなかった。使い道は米国によって限定されていたのだ。ロシアはこのようなリスクを避けたいのである。
(以後、略)
(転載貼り付け終わり)
さらにロシアは、アメリカや西側諸国からの「経済制裁」に対抗して、もうひとつの<新しい経済政策>を始めました。
ロシアの中央銀行が、3月25日に自国通貨である「ルーブル」と「金地金(ゴールド)」の価格を固定し、「金(ゴールド)を一定の価格で買い取る」という発表をしました。
この報道を見て、ロシアが「金本位制(ゴールド・スタンダード、金兌換(だかん)制)」に戻ろうとしているのではないか、という憶測も広まっています。
(転載貼り付け始め)
●「ロシア中銀、金の購入開始 市場に金本位制採用の思惑」日本経済新聞 2022年3月30日 15:55
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00019_Q2A330C2000000/「ロシアは金本位制を採用する気か」――。ロシア中央銀行が25日に金を固定価格で購入すると発表し、ツイッター上にはこんなつぶやきがあふれている。ニクソン米大統領が1971年に金と米ドルの交換を停止すると発表し、第2次世界大戦後に確立した「ブレントウッズ体制」が崩壊してから半世紀あまり。ドル離れを進めざるを得ないロシアの窮余の策を過去の遺物になぞらえ、冗談交じりに話題にしているようだ。
「国内貴金属市場の需給を均衡させるために28日から固定価格で金を買い付ける」。ロシア中銀は25日にこんな声明を公表した。6月30日までの購入価格は1グラム当たり5000ルーブル(7000円程度)。金の安定した供給を確保し、金鉱産業が円滑に機能する
ことにつながる水準だという。
ロシアはウクライナへの侵攻後、欧米の主要国や日本から経済制裁を強化され、多くの民間銀行が国際的な金融決済網から排除された。ロシア中銀は2月28日から同国内の貴金属市場で金を買い付けると決定。この際はロンドン市場の取引価格を参照して日々の買い取り価格を決めるとしていた。だが、3月15日には家計の需要が増えていることを理由に金融機関からの購入を止めていた。
国際的な金の調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、2020年のロシアの金生産量は331.1トンと世界の1割弱を占める。今回の金購入を発表する声明では金鉱産業に触れており、経済制裁で売り先が限られるロシアの鉱山会社の救済という面もありそうだ。
ただ、買い取り価格である1グラム5000ルーブルは30日時点の為替レートでは60ドル弱。一方、29日のロンドン市場の取引価格(1トロイオンス1911ドル)を1グラム当たりに換算すると、61.4ドル。ルーブル安・ドル高が一服したことで、ロシア中銀が提示した
固定相場は国際価格とほぼ同程度になったものの、ロシアの鉱山会社や金融機関がこの取引にどの程度応じるのかは不透明だ。
気になるのは固定相場で買い取るというロシア中銀の狙いだ。外貨準備として積み増すにしても、ロシア中銀の金準備も欧米の制裁対象となっており、活用は簡単ではない。マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表は「原始的な方法だが、必要とする国に持ち込んで売却するのではないか」とみる。
では、金を必要とする国とはどこか。WGCがまとめた2021年の宝飾品需要を見ると、中国は鉱山生産量(368.3トン、20年)を上回る674.6トンだった。宝飾需要を支えるインドが610.9トン。両国とも欧米の対ロ制裁の目をかいくぐって、ロシアから原油や天然ガスの調達に動いたと伝わる。重量当たりの価値の「密度」は原油や天然ガスと比べものにならないほど高い。そのうえ、換金しやすく匿名性も高いとなれば、ロシアが外貨を獲得するために金を活用しない手はないだろう。
(転載貼り付け終わり)
この記事のなかで書かれている、
「(ロシア中銀による金の)買い取り価格である1グラム5000ルーブルは30日時点の為替レートでは60ドル弱。一方、29日のロンドン市場の取引価格(1トロイオンス1911ドル)を1グラム当たりに換算すると、61.4ドル」とあります。これは、つまり、「ルーブル」が「米ドル」よりも金(ゴールド)を基準にして割高であるという設定にしたということです。ロシアはあくまでも強気です。
これをみて、ロシアが「金本位制」を始めたという分析も聞かれます。しかし、ロシア政府(中央銀行)が保有する金地金(ゴールド)の量と、発行している通貨の量との関係が分かりません。だから、ロシアは「金本位制」になったと言っても、米ドル中心の現状の国際通貨システムの中では相手にされません。
しかし一方で、新興大国の(ブリックス(BRICS)諸国や、中東や中央アジア、東南アジア、南米、アフリカの国々には、ロシアのルーブルの価値と信用を高める十分な効果があります。このロシアの通貨対策を認めて、少しずつルーブルでの決済も受け付けるでしょう。
こうして経済面でも、「西側陣営(欧米・NATO、ウクライナ)」と、「新興“資源”国の陣営(中国・ロシア、BRICS、中東、ユーラシア諸国)」との、新しい経済戦争の時代にも、同時に、突入しました。
いっぽうで、ロシア政府は、ロシアへの「経済制裁」に加わっていない国々には、その国の自国通貨や、中国の「人民元」で貿易の支払いをすることを認めました。
すでに7年前の2015年から、米ドルを介さずに「人民元(RMB、またはCNY)」建てで国際送金ができる、人民元専用の国際決済システムである「CIPS(シープス、Cross-Border Inter-Bank Payments System)という人民元送金の国際ネットワーク
が構築されていました。
この「CIPS(シープス)」の人民元決済ネットワークには、日本の三大銀行(三菱、三井住友、みずほ)も、加盟しています。
ただし、この「CIPS(シープス)」は、まだ一部をこれまでの欧米の「SWIFT(スウィフト)」のネットワークを借りる形で運営されています。完全には独立していません。
だから、拙著『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!』の第4章で書いたとおり、すでに今年の2月の北京オリンピックでデビューし、実用化されている「デジタル人民元」を、アメリカの経済制裁に加わらない新興諸国や資源国(ユーラシア諸国陣営)は、企業や政府間の国際決済・送金のために、どんどんこれから利用して行くことになります。
この「デジタル人民元」の国際的な利用状況について、現在の実態が、ほとんど伝わってきません。おそらく、アメリカに叩かれないように、ひそやかに流通させていると推測します。
さらにロシアは、アメリカや西側陣営の国の中央銀行に凍結(没収)された3000憶ドル(約38兆円)ものロシア政府の「外貨準備金」(フォーリン・リザーヴ)の代わりに、ロシア政府(中央銀行)で保有している「金(ゴールド)」を、国際的な国家間の資金のやり取りに利用し始めました。
欧米に差し押さえられたロシアの外貨準備の3000憶ドルというのは、ロシアの外貨準備の総額6400憶ドル(約80兆円)の半分に相当します。
これで、ロシアの中央銀行による金地金(ゴールド)の保有量や、ルーブル通貨での金(ゴールド)の取引量が多くなればなるほど、その国の通貨の価値を担保する「実物資産」(紙切れにならない実体)が増えます。
すると「ルーブル」という通貨への信用が高まり、通貨価値も上昇します。
これは、コロナマネーの大量放出で、通貨の価値がどんどん薄まって急落し、あらゆる資源や資材や、原材料、商材、食糧(料)の価格が急騰をつづけている現在の急速な「インフレ」のなかでは、さらに重要な対策です。
金地金だけでなく、その国で産出される、天然ガスや原油やニッケルやレアメタル、レアアースなどあらゆる「天然資源」や穀物などの食糧やその他の農作物や肥料や飼料など食料資源などあらゆる「実物資産の総量(コモディティ・バスケット)」も、その国の通貨の価値を裏付ける「担保の資産」とするようです。
「ウクライナ戦争」をきっかけに、世界は「新しい通貨」の時代を向かえつつあります。
このことを、ゾルダン・ポズサー(1979- )という、昨今、金融界で話題の金利ストラテジスト(クレディスイス所属)が、世界経済は、「ブレトンウッズ3(3.0)」の段階にはいったのだ、と主張して、世界的に話題になっています。
このロシアの動きに追随して、世界第2番目の原油産出国で、中東最大の原油産出国であるサウジアラビアが、石油の輸出決済を、これまでの「米ドル」建て一辺倒から、中国の「人民元」での支払いにも応じると発表しました。
ちなみに、世界の石油生産量の第1位はアメリカ、3位がロシア、4位がカナダ、5位がイラク、6位が中国となっています(2021年時点)。
これでついに、世界中すべての石油の決済は、米ドル建てで行うという「ワシントン・リャド密約(1974年)」が、崩れる去る時代がとうとうきました。
この「ワシントン・リャド密約」のことも、拙著『政府が狙う!あなたの個人資産を何があっても守り抜け!!』の230ページに書きました。
サウジアラビアを先頭に、中東の石油産出も、世界の他のすべての国も、原油の貿易決済を、すべて必ず「米ドル」建てでおこなう。「米ドル」以外の通貨で、「原油」の輸出代金を受け取らないと、全世界が、アメリカに対して約束してきました。
それは、1973年の「オイル・ショック」の翌年に決まりました。
当時の国務長官ヘンリー・キッシンジャー(1923- 98歳、まだ存命)が、「オイル・ショック」のすぐあとに、急いでサウジアラビアの首都リャドへ飛んでいます。
そこで、「アメリカの米軍がサウジアラビアを防衛するから、その見返り、石油の貿易決済はすべて米ドル建てしろ」と言って、密約を交わしました。
これが、戦後のすべての国際貿易の石油取引のルールとなりました。これを、サウジアラビアは今まで、守り続けてきました。
これによって、世界のすべての原油取引を、すべて米ドル建てで売買決済する、という「米ドル=石油本位制」が構築されました。
こうして、戦後の世界で最も需要な天然資源であり「戦略資源」である「石油」の取引きが、すべて米ドル建てで独占的に行われるようになりました。
これが、米ドルという「金との交換(35ドル=1オンス)」で価値が担保されてきた「ブレトンウッズ体制」が「ニクソン・ショック」で崩れたのあとの、「米ドル」の価値を実質的に支えるシステムになりました。
別の言い方をすると、「準・石油本位制」であったということです。
「ブレトンウッズ体制」につづくこの「石油=ドル建て・決済システム」または、「準・石油本位制」の米ドル基軸通貨による国際通貨体制のことを、先述のゾルダン・ポズサーは、「ブレトンウッズ2」と命名しました。
そして今度は、米ドルの基軸通貨としての価値と信用をささえてきたこの「準・石油本位制」(ブレトンウッズ2)の仕組みが、「ワシントン・リャド密約」の当事国であるサウジアラビアによって、ついに「裏切られる」事態が発生しました。
かつてのアメリカであれば、米軍を動かして、まさに「サウジアラビア侵攻」を始めていたでしょう。あるいは、サウジアラビアの国内政権を転覆させるような工作を、CIAが仕掛けたはずです。
しかし、もういまのアメリカには、なすすべもありません。このサウジアラビアの発言に対して、アメリカ政府が何かの対応や抗議の声明を出した、という報道も聞きません。
アメリカは、ありもしなかった「大量破壊兵器」を探し出すという「大義名分」で、2003年に「イラク侵攻」をしました。その後、2011年までの8年間も「イラク戦争」を続けました。そして、その間に、合計で100万人以上もの罪のないイラクの国民を、空爆で虐殺しています。
この事実こそ、アメリカが世界から糾弾(きゅだん)され、制裁を受けるべき「ジェノサイド」(大量虐殺)そのものです。
(転載貼り付け始め)
●「サウジの対中石油輸出、人民元建てに変更も=関係者」By Summer Said in Dubai and Stephen Kalin in Riyadh, Saudi Arabia
ウォール・ストリートジャーナル日本版 2022 年 3 月 16 日
https://jp.wsj.com/articles/saudi-arabia-considers-accepting-yuan-instead-of-dollars-for-chinese-oil-sales-11647363739 サウジアラビアは中国への石油販売の一部を人民元建てにする案を巡り、中国政府と交渉中だ。複数の関係者が明らかにした。実現すれば、国際石油市場でのドルの支配的地位が損なわれる可能性がある。
交渉は6年前から断続的に続いているが、今年に入り弾みがついた。サウジが米国との安全保障上の取り決めに不満を募らせていることが背景にある。
サウジはイエメン内戦への介入を米国が支持しなかったことや、バイデン政権がイランとの核合意の再建を図っていることに不快感を示している。サウジ当局者は、米軍が昨年アフガニスタンから性急に撤退したことに衝撃を受けたとしている。
中国はサウジの石油輸出の25%超を占めている。元建て石油販売が実現すれば、元の地位は強まる見通しだ。
サウジが日量約620万バレルの原油輸出を一部でもドル以外の通貨建てにすることは大きな方針転換といえる。世界の石油取引の約8割はドル建てで実施されている。サウジは当時の米ニクソン政権との合意に基づき、1974年からドルだけで石油を取引してきた。
中国は人民元の国際化に向けて2018年に元建ての石油契約を導入した。ただ今のところ石油市場でのドルの圧倒的地位を揺るがすには至っていない。核開発を続けるイランや、ウクライナに侵攻したロシアに対する米国の制裁は、中国にとってドル利用のリスクを浮き彫りにするものだ。
(中 略)
中国は経済発展に伴い、過去30年にわたり石油輸入が急増している。中国税関当局のデータによると、21年の対中石油輸出はサウジが日量176万バレルでトップ。2位はロシアの日量160万バレルだった。
交渉に詳しいサウジ当局者は「ダイナミクスが激変した。米国とサウジの関係は変わった。中国は世界最大の原油輸入国で、サウジにうまみのあるインセンティブを多数提供している」とした上で「中国は想像し得る、ありとあらゆるものをサウジに提示している」と話した。
(転載貼り付け終わり)
つまり、このようにして、国際的な資源のやり取りの支払いを、「米ドル」を使うことをやめて、「ルーブル」やサウジアラビアの通貨である「リヤル」、インドの「ルピー」、中国の「人民元」などで支払うという、世界史をひっくり返す動きです。
これは、実物の資源を産出する「資源国」が産出する「資源」をその国の通貨で「支払い」や「決済」をするということです。これによって、その国の「自国通貨」そのものの「信用」を裏付け、その「価値」を高めて維持しようとする、非常に重要な決断です。
この試みは、先に書いた「米ドル=石油・本位制」と、まったく同じアイデアであり、おなじシステムです。
「通貨=産出資源・本位制」を、各資源国の通貨ごとにやってしまおうという、驚くべき、革命的な試みでもあります。
だから、この各国通貨の「資源本位制」は、現在の米ドル中心(ドル基軸)の「国際通貨体制(ブレトンウッズ2)」に破壊的な影響をあたえるほどの、重大なインパクトを持ちます。
だから、先述のゾルダン・ポズサーは、このことを「ブレトンウッズ3」が始まったのだ、と主張しています。
第2次世界大戦が終わる一年前の、1944年7月、アメリカのニューハンプシャー州ブレトン・ウッズという地方都市に、戦勝のシナリオを共有する「連合国(アライド・ネイションズAllied Nations、または、UN=United Nations)」側の45ヶ国が一同に集まりました。
そこで、「米ドル」を中心(基軸通貨)とする戦後世界の国際金融経済体制が、決められました。この会合を「ブレトンウッズ会談」と呼びます。そこで決められた「ブレトンウッズ体制」で、「金地金(ゴールド)」1オンス(31.1グラム)あたり「米ドル」35ドルと交換することを、アメリカ政府が<保証>しました。
つまり、おおよそ「1グラム=1ドル」で換金してもらえるという勘定です。
しかし、1971年8月15日の「ニクソン・ショック」で、この金地金と米ドルとの交換を停止するという宣言がされました。これを、ゾルタン・ポズサーが、「ブレトンウッズ2(いま風なら 2.0)」と呼びました。
このポズサーの主張をまとめた記事はいくつかでています。あまり長くなく、ポイントが良くまとまった記事だけ、以下に転載します。
(転載貼り付け始め)
●「新しい世界通貨秩序が生まれつつある:クレディ・スイスのストラテジスト」コインデスク・ジャパン 2022年 3月 10日
https://www.coindeskjapan.com/142804/かつてニューヨーク連邦銀行と米財務省に勤務し、今はクレディ・スイス(Credit Suisse)の短期金利ストラテジストを務めるゾルタン・ポズサー(Zoltan Pozsar)氏は7日に発表した文書に、アメリカは今、新しい世界通貨秩序につながるコモディティ危機の中にあり、最終的には現在のドル基軸の金融システムは弱体化し、欧米でのインフレ率上昇を招くと書いている。
「この危機は、1971年にニクソン大統領(当時)がドルとゴールドの交換を停止して以降、我々が経験してきたものとは違う」(ポズサー氏)
ブレトン・ウッズ協定は、第二次世界大戦後半に結ばれたもので、ゴールド1オンスを35ドルと定め、さらに他国の通貨を米ドルに対して固定した。しかし、1960年代に入るとアメリカの貿易赤字が深刻化し、この仕組み(いわゆる「ブレトン・ウッズ体制」)は破綻し始め、1971年にニクソン大統領がドルとゴールドの交換を停止したことで、完全に崩壊した(「ニクソン・ショック」と呼ばれる)。
初期のブレトン・ウッズ時代(1944〜1971年)がゴールド、ブレトン・ウッズ2時代(1971年〜現在)が「インサイド・マネー」(本質的には米ドル)に裏付けられたとすれば、ブレトン・ウッズ3時代は「アウトサイド・マネー」(マネー以外のゴールドや他のコモディティ)に裏付けられるものになるとポズサー氏は述べた。
ポズサー氏は、現在の通貨体制の終焉を、先進7カ国(G7)がロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアの外貨準備を凍結した日と位置づけている。リスクフリーと考えられていたものがそうではなくなり、存在しなかった信用リスクがきわめて現実的な没収リスクに一瞬で置き換わった。
影響は中国にも及ぶ。ポズサー氏は、中国人民銀行(PBOC)は2つの選択肢に直面しているという。つまり、国債を売ってロシアのコモディティを買うか、あるいは、独自の量的緩和で人民元の発行量を増やし、ロシアのコモディティを買うかだ。どちらのシナリオも欧米での金利上昇とインフレ率の上昇を意味するという。
(以後、略)
(転載貼り付け終わり)
金(ゴールド)と米ドルの切り離し(兌換の停止)という「ニクソン・ショック」(ドル・ショック)によって、「米ドル」というこれまでの世界の「基軸通貨(キー・カレンシー)」であった通貨に対する各国からの「信頼」「信用(クレジット)」の裏付け(担保)がいっきに失われることになりました。
つまり、米ドルの「金本位制」(ゴールド・スタンダード)をやめたということです。
だから「真実」は、この「ニクソン・ショック」のあとから今までの50年間ずっと、「米ドル」の他の通貨に対する相対的な「価値」は、下落し続けてきました。
ただし、「基軸通貨」であるという地位を、石油やその他、世界の貿易取引をすべて米ドル建てで決済させることで維持しました。このため、「米ドル」は買われ続けました。アメリカの「金利」を他の先進諸国よりも高く設定することで、さらに貿易黒字で蓄積された「米ドル」を売らずに、そのまま「米国債」を買うように仕向けました。
だから、「米ドル」は、「金(ゴールド)」との交換(ゴールド・スタンダード)という「担保」がなくなっても、米ドルが売られて他の通貨に転換され、米ドルの世界での流通量が減ってしまうことを防ぐことができました。
だから、米ドルはその価値を失わず、世界の「基軸通貨」としての地位を維持することができました。
しかし今回は、ロシアの政府(中央銀行)の「外貨準備資産」をまるごと凍結(没収)しました。このように恐ろしい「経済制裁」という暴挙(ぼうきょ)に出ました。
これによって、「米ドル」をいくら「外貨預金資産」(フォーリン・リザーヴ)として保有していても、アメリカ政府の一存(いちぞん)で、突然、「取引停止」「凍結」され、引き出せなくされること。政府や中央銀行が保有する米ドル資産は、「没収(ぼっしゅう)」されてしまう可能性があることが、世界に知れ渡りました。
この瞬間から、世界からの「米ドル」の基軸通貨としての「信用(幻想)」が崩れ始めました。
だから、ゾルタン・ポズサー氏は、世界の誰もが「米ドル」を国際決済の通貨として優先して利用し、米国債に投資するという形で、米ドルが世界の「基軸通貨」でいられた時代が終わりを向かえるのだと、厳しく見抜いて、指摘しています。
そして、この新しい転換を、「ブレトンウッズ3(3.0)」であると定義しました。
米ドルを基軸通貨としてきた国際通貨体制が崩れて、さらに新しい次元へ移行してしまったのだと、断定しています。
こうして、アメリカを中心とする西側陣営のロシアに対する「経済制裁」が、「米ドル」と「ユーロ」を中心とする先進諸国の「通貨の紙クズ化」、つまり「ハイパーインフレーション」が始まる、重大なきっかけとなりました。
「コロナ危機」が世界的な終焉を迎えたところで勃発した、この新しい「ウクライナ危機(戦争)」によって、世界には新しい大きな「3つの恐怖」が渦巻いています。
ひとつが①「戦争の恐怖」です。もうひとつが、②「ハイパーインフレの恐怖」です。そして、三つめが、③「米ドル基軸体制が崩壊する恐怖」です。
①「戦争の恐怖」というのは、さらに、(1)「核戦争」の恐怖と(2)「第3次世界大戦」の恐怖のふたつがあります。
ロシアのプーチン大統領が、実際に、小型のものでも「核ミサイル」を発射する可能性があるということです。これに対して、欧米英の西側陣営も、報復の核ミサイルをロシア本土に打ち返すと、世界的な「核戦争」にまで発展します。
その「核ミサイルの打ち合い」をシミュレーションするコンピュータ画像が、インターネット上にいくつも出まわるようになりました。
以下に、そのシミュレーションの動画が見られる記事を転載します。
このスタンフォード大学のシミュレーションでは、最悪のケースで、たったの45分間で、合計9150万人が、ロシアとヨーロッパとアメリカの主要都市にバラバラと降りそそぐ「核ミサイル」の攻撃を受けて死亡する、とはじき出しています。
タイトルの下のウエブページアドレスをクリックして、記事のなかにあるYouTube(ユーチューブ)の動画を、再生してご覧ください。
恐ろしい核がどのように、世界を飛び交うかが分かるコンピュータ画像です。
(転載貼り付け始め)
●「ロシアが1発でも核兵器を使うと最初の数時間で死傷者が9150万人に達するという研究結果」 Gigazine 2022年4月21日
( ↓ クリックしてご覧ください)
https://gigazine.net/news/20220421-russia-usa-nuclear-war-result/ロシアによるウクライナ侵攻が続くまっただ中の2022年4月21日、ロシアは10個の核弾頭を搭載できる新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」の発射実験に成功したと発表しました。ロシアによる核攻撃は十分起こり得るとの見方も出始めている中、ロシアがもし核戦争を始めた場合は最初の数時間で死傷者が9150万人に達するという2019年のシミュレーション映像が改めて注目を集めています。
PLAN A | Princeton Science & Global Security
https://sgs.princeton.edu/the-lab/plan-aNew Study on US-Russia nuclear war: 91.5 million casualties in first few hours - ICAN
https://www.icanw.org/new_study_on_us_russia_nuclear_war核兵器に関する技術・政策的分析の専門家として知られるアメリカ・プリンストン大学のアレックス・グラーザー氏の研究チームは、アメリカ対ロシアの核戦争が勃発した際の被害をシミュレーションした結果を、「プランA」という映像にまとめました。以下の動画を再生すると、その映像を実際に見ることができます。
(以後、略)
(転載貼り付け終わり)
しかし、実際は、ウクライナ軍に対して、大量の武器をあたえ、兵器を配備させ、その訓練を2008年から14年間も施(ほどこ)して来たのは、アメリカとNATO軍です。
NATOは、ウクライナ軍に対して、この2月24日のロシアによる「ウクライナ侵攻」の直前まで、この侵攻を前提にして、訓練を続けていました。つまり、事前に「ウクライナ侵攻」を予測(計画)していたということです。
さらに、アメリカが独占するロシア軍の動きを追跡できる衛星画像や、アメリカが探知したり傍受したロシア軍の通信データを、ウクライナ軍に渡すなど、どんどん軍事支援をして、いま現在の、ロシアとの戦闘を継続させているのも、アメリカとNATOです。
【前編】で『ウォール・ストリートジャーナル日本版』の記事を転載したとおり、ウクライナ軍は見事に、アメリカ製の兵器を使いこなし、ロシア軍に想定以上の打撃と損傷をあたえました。
アメリカとNATO軍は、ウクライナ兵を2014年から訓練し、さらに、2008年から、ウクライナ政府と軍をNATO(北大西洋条約機構)の対ロシアの軍事計画の中に取り込むように、勧誘、支援、指導を続けてきました。
もちろん、ロシア軍もプーチン大統領もその事実を知っています。以下の記事にあるとおりです。
だから、ロシアによる「ウクライナへの侵攻」で始まったこの二国間の戦争は、本当は、ロシアを攻撃するために、ウクライナ軍を動かし支援している「アメリカとロシアの戦争」です。
(転載貼り付け始め)
●「アメリカの兵器供与にロシアが抗議 「予測できない結果を招く」」朝日新聞 2022年4月16日
https://www.asahi.com/articles/ASQ4J6J36Q4JUHBI01P.htmlロシア政府が、ウクライナへの兵器供与を続ける米政府に対して「予測できない結果を招きかねない」と牽制(けんせい)する外交文書を送付し、正式に抗議した。文書のコピーを確認したとする米ワシントン・ポストなど複数のメディアが、15日報じた。
ワシントン・ポスト(電子版)によるとロシア政府は今週、「ウクライナ政権への大量の武器と軍事装備の供給に関するロシアの懸念について」と題する外交文書を米国務省に送付。米国と北大西洋条約機構(NATO)がウクライナに兵器供与を続けることは紛争に「燃料を追加」し、「予測できない結果を招きかねない」と抗議したという。
米政府は13日、ウクライナ政府の要請に応じ、新たに8億ドル(約1千億円)の軍事支援を表明。長距離砲の155ミリ榴弾(りゅうだん)砲(18門)や砲弾(4万発)、敵の砲撃位置を特定する対砲兵レーダー、ヘリコプターなど従来の支援より大型の兵器を供与するとしていた。
(転載貼り付け終わり)
そして、私たち日本も、オーストラリアやニュージーランドなどアジア・オセアニアの親米・反ロシア諸国も、アメリカとヨーロッパ諸国(NATO軍)の「西側陣営」に追従する形で、一緒にこの「米露戦争」を、追行しています。
ロシアへの「経済制裁」や「非難」もせず「中立」を貫く「BRICS(ブリックス)諸国(ブラジル、インド、中国、南アフリカ)」、中東や、中央アジア諸国、東南アジア諸国、アフリカやその他のユーラシア大陸の国々は、大きくは「新興諸国・資源国陣営」になります。
だから、これは大きくは、すでにアメリカ+「西側陣営」と、ロシア+「ユーラシア新興諸国・資源国陣営」とのあいだの「世界大戦」であるという結論になります。
「冷戦」では、もうありません。アメリカ・NATO軍の「代理部隊」であるウクライナ軍と、ロシア軍とのあいだで、実際の、戦闘が続いています。両軍の兵士と一般市民が、すでに何千人も戦死しています。
こうした「第3次世界大戦の恐怖」が、いまの世界では、うず巻いています。
日本は、今ごろになって「マスクは続けるべきか、もう外すべきか」などとやっと話し始めているほどの「ガラパゴス諸島」で、いまのところ平和で、世界から切り離されていて、かえって良かったと言うべきでしょうか。
ロシアによるウクライナ侵攻からもうすぐ2ヶ月となるいま「ウクライナ戦争」は、膠着状態になりつつありました。
しかしいよいよ、ロシアがウクライナの東部のルガンスク州とドネツク州をあわせたドンバス地方を、親ロシアの独立政権を打ち立て、ロシアの管轄の自治国家とするために、最後の徹底した「総攻撃」を開始したようです。
これまで表向きは、停戦の努力が続けられてきました。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領(1978- )は、ロシアのプーチン大統領と本気で交渉して、現実的な「妥協案」を提示したり、お互いの「譲歩」を引き出す努力をしようという気が、いっさいないことが分かりました。
それどころか「もっと戦争を追行するために武器と資金をよこせ」と、厚かましくも世界各国の議会に、なんとリモートで出演して、演説をして回りました。コロナの「テレワーク」や「Zoom(ズーム)会議」ではありません。
あきれたことに、世界の各国の議会へ、強大なテレスクリーンで演説して回り、ウクライナの一方的な正義や正当性の主張と、さらには、戦争を継続するための兵器や兵力や資金の援助まで、リモートで募(つの)っています。
これまでの人類の戦争の歴史で、見たことがない行状(ぎょうじょう)です。
このように世界各国の政府と政治家たちに対し、一堂に集合をかけ、このようにリモート演説を聞かせることができる「強制力」は、世界覇権国(帝国)であるアメリカにしかありません。アメリカがバックにいるからこそ可能です。
日本政府も、私たち日本人も、ろくに考えず、今のように欧米の言いなりで、「ロシアのプーチン大統領が一方的に悪い」「ウクライナの攻められて困っているゼレンスキーを助けよう」とか、さらに勢いづいて、「日本も、ロシアや中国から侵攻されるかも知れないから、【核武装】をしようとか、「【憲法を改正】して正規の【軍隊】を持つべきだ」などと言い出だす人たちがいます。
軽い頭の考えで動いていると、いずれ西側陣営として、ロシア・中国との本当の戦争に巻き込まれます。私たち自身(18歳~60歳)や、私たちの子供たちが「国家総力戦」の「総動員法」で、ほんとうに戦場に連れて行かれます。
日本には、これまで外国の勢力に騙(だま)され、誘い出されて、何度も戦争に引きずり込まれた悲劇の歴史があります。
いまのアメリカ言いなりの、気骨のない自民党政治家たちや、好戦派でおかしな宗教勢力に操られた安倍晋三一派や維新の会などの政治家が主導するあいだは、【憲法改正】や【核武装】の議論や検討は、避けるべきです。
そうしないと、間違いなく「アメリカの言いなり」で戦争させられるために、日本の憲法は「改悪」されて行きます。
私たち自身と、日本の子供たちが、「徴兵制」の復活という形で、軍隊に取られるということです。このことを、私は、ここではっきりと明言します。
憲法改正も核保有も国軍の設置も、アメリカ従属の、いま現役の政治家たちが、皆、おいぼれて死んでからにするべきです。
それまでは、日本は「中立」「非参戦」を貫くべきです。
戦争をしている当事国である、ウクライナとロシアのどちら側にも立たずに、「中立」をかかげるのが、もっとも慎重で、日本国民の「国益」になる対応のしかたです。
いまの岸田政権が、欧米と一緒に動いていることは、本当に危ない。
それから、日本のマスゴミでも欧米の大手メディアでも、やはりほとんど報道されませんが、この戦争によるロシアへの「経済制裁」でもうかっているのは、アメリカのガス・石油業界です。
ヨーロッパ諸国が、ロシアから買わないことにした天然ガスは、アメリカが高額でヨーロッパのEU諸国に売りつけるという商売をしています。
それまで、天然ガスの供給の依存度が4割以上あったロシアからのパイプライン(ノドル・ストリーム1)からの天然ガスを、ヨーロッパ諸国は減らしました。その代わり、はるばるアメリカから、液化されタンカーで運ばれてくるアメリカ産のLNG(液化天然ガス)を、売りつけられています。
アメリカには、20年くらい前から、アメリカ国内で開発を続けてきた「シェールガス」の埋蔵量まだあります。アメリカの「天然ガス」の生産量も、世界第1位です。第2位がロシアで、3位がイラン、中国が4位になっています。
ロシアへの経済制裁で、アメリカのガス業界は売上げが4、5倍になっています。そうは言っても、上で書いたとおり、それでも間に合わないから、ヨーロッパはいまでも、ロシアからのガスパイプラインで、天然ガスを買い続けているという現実があります。
それから、今回の戦争で、ウクライナとウクライナへ武力支援を行っているヨーロッパ諸国(NATO軍)に武器を売っているのは、アメリカの軍事企業です。
アメリカで兵器を生産する代表的軍事会社は、レイセオン社やロッキード社、ボーイング、ゼネラル・ダイナミックス、ノースロップ・グラマンなどがあります。
いずれも、この「ウクライナ戦争」で、売上が急増しています。各社の株価も、すでに2割くらい上昇しています。
レイセオンは、「スティンガーミサイル」を、ロッキード・マーティン社は、「ジャベリン対戦車ミサイル」を製造し、ウクライナへ供給し続けています。
「儲かるから、もうしばらくは戦争を続けてくれ!在庫処理も助かる」という、悪魔の叫び声が聞こえます。
しかし、この程度で、これからの世界におそいかかる、「ハイパーインフレ」と「米ドル中心の国際通貨システムの崩壊」、「コロナマネー」による異常な株式と不動産バブルが大暴落する「金融恐慌」を救えるほどの経済効果はありません。
さらにこれから、戦禍が長引いて、テロやゲリラ戦が長期化します。それで、金融市場と世界経済への悪影響が、ますます大きくなります。やはり、英米欧、NATOのディープステイト勢力の狙いは、「第3次世界大戦」による大破壊と、金融崩壊で、世界経済、金融・通貨システムを「グレート・リセット」することです。
これからの株式市場は、「コロナマネー」の余韻で、政府が介入して買い支えるので、もうしばらくは、下げては少し戻し・・を繰り返します。しかし、じわじわと、長期的には下落を続けて行きます。
今のうちに、株は利益確定で売り払って、高騰を続ける「米ドル」建ての資産も、早めに売却の準備をして、「金地金(ゴールド)」に変えて保全する体制を、準備するべきです。
(【中編】ここまで。【後編】(141号)は、次のメールへ続きます)
貼り付終わり、
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