貼りつけ開始
https://karapaia.com/archives/52312080.html ロシアがウクライナに核兵器を使う可能性が懸念されている。
ロシアは数千発の「
戦術核兵器」を所有しており、核兵器の使用は、ロシアの軍事基本原則(
ドクトリン)の一部でもある。
ウクライナのゼレンスキー大統領はその脅威を真剣に受け止めるべきだと、世界各国に訴えている。
もしも本当に使われてしまったら、どうしたら身を守ることができるのか?防衛専門家が被害を最小限に抑える方法を伝授している。
核爆弾から生き残る方法
『
The Conversation』誌では、防衛の専門家に詳しく解説をしてもらった。
戦術核兵器の爆発は「点火」「爆風」「放射性降下物」の3段階に分けられ、その段階に応じた行動が求められるという。
1. 点火
戦術核兵器が点火されたら、突然空に太陽のような閃光を目にするだろう。それを目にしたすぐに目を背け、どこかに身を隠さねばならない。
閃光はさっと消えるが、しばらくして火球と衝撃波の共演による二重の閃光が続く。かなりの熱と明るさなので、目をおおって網膜が焼けるのを防ぐ。
さらに強烈な熱放射が衣服越しに皮膚を焼く。屋内にいればいいが、外にいても白っぽい色の衣服ならそれを和らげてくれる。
また目には見えないが、ガンマ線・X線・中性子といった膨大な核放射線を浴びることになる。熱と放射線を防げるものを探すべきだ。
これで核爆発の最初の数秒を生き残ったことになる。
それが広島型(TNT15キロトン相当の威力)よりも小さな戦術核兵器であることを願おう。
まだ生きているのなら、あなたは爆心地から離れたところにいたということだろう。だが次の数秒を生き延びるには、まだやることがある。
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2. 爆風
次に来るのは爆風だ。
高圧の衝撃波とそれに続く外に広がる爆風だが、しばしば爆心地へと戻っていく逆向きの風が吹くこともある。
これが爆心地から一定範囲内の建物をすべて破壊する。
たとえば15キロトンの核爆弾なら火球の半径は100メートル。1.6キロの範囲を
https://irp.fas.org/threat/detonation.pdf" target="_blank" title="">完全に破壊する。
1キロトンの核爆弾なら、火球の半径は40メートル。400メートルの範囲に大きなダメージを与える。
衝撃波は音速(秒速343メートル)よりも速く移動する。したがって、爆心地から1キロ離れたところにいたとすると、3秒以内に衝撃波に襲われる。5キロ離れていても15秒未満だ。
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熱と核放射線からも身を守らねばならない。そのためには安全な場所に避難しなければならないが、爆風で崩れるような建物はNGだ。
できれば補強された掩蔽壕や地下室に入るのがいい。地下室がない場合は、レンガやコンクリートの建物のできるだけ頑丈な場所を見つけよう。
進入してきた衝撃波は内壁に反射して、元の衝撃波と重なり、圧力が倍になる。なので建物の爆風を受ける側は避け、必ず伏せることだ。
補強された部屋がなければ、頑丈な机の下に潜るか、ベッドやソファの横(下ではない。コンクリートの板が落下した時、潰される恐れがある)で伏せる。
砕ける恐れがあるので、ドア・背の高い家具・窓からは離れること。壁が倒れた時は、瓦礫の隙間に入れば助かる可能性はある。
マンションの場合、建物の中心にある非常階段に逃げ込むといい。
木造・ファイバーセメント・プレハブの建物では、おそらく生き残れないだろう。また爆風が来たらアゴを開けて、鼓膜の両側に圧力がかかるようにする。
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3. 放射性降下物
3番目に襲い掛かるのが放射性降下物、すなわち有害な放射性粒子の雲だ。
爆発で舞い上がり、風に乗って運ばれてくる途中、あらゆるものを汚染する。これは爆発から数時間から数日も続く。
英国とオーストラリアがマラリンガで行った実験では、爆心地から5~25キロの範囲に幅1キロにわたって放射性降下物がはっきりと残っていた。
これから身を守らねば、長生きはできない。
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地下や非常階段のような頑丈な建物の中にいるのなら、数日間そこにいればいい。だが建物が破壊されてしまったら、まだ壊れていない建物に避難しなければならない。
ドア・窓・隙間などはすべて閉める。だが水道管が無傷ならば水を飲んでも構わないし、密閉された缶詰を食べてもいい。
屋外を移動するには、防護服を使う。とりわけN95マスクや防塵マスクは必須だろう。
「
戦術核兵器」は人間やインフラを破壊するためのものだが、実は使用後に部隊を派遣することも可能だ。放射線は危険だが、それでも人間が活動できるレベルに抑えられているのだ。
一方、「
放射能兵器」は、致死量に達するまで放射能汚染を広めるための兵器だ。
避難場所を見つけたら、まず除染する必要がある。体や爪、髪の毛をよく洗い、清潔な衣服に着替える。だが、もしひどい火傷を負っているようなら、こちらの手当を優先する。
その頃までには、国家の機関が救助に動き出していることを願おう。
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ロシアが核兵器を使うようなことがあれば世界の均衡は崩れていく。核兵器を保有する国は他にもある。日本に住む我々も、もしもの時には身を守る行動がとれるよう、備えておくべきなのかもしれない。
References:How to survive a tactical nuclear bomb? Defence experts explain / written by hiroching / edited by / parumo
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貼り付終わり、
https://youtu.be/_IUb9s05t3Q
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