貼りつけ開始
https://karapaia.com/archives/52312077.html 太古の時代を生きた生物には、まだ解明されていない謎が隠されている。手掛かりとなるのは発掘された化石のみだが、分析技術の向上により徐々にその謎が解明されつつある。
空飛ぶ爬虫類の一群「翼竜」は、トカゲのような鱗(うろこ)に覆われているのか、それとも羽毛をもっていたのか、見解が分かれていた。
だが、『
Nature』(2022年4月20日付)に掲載された最新の研究によると、翼竜にも羽毛が生えていることが明らかになったという。しかもその羽はカラフルだ。メラニン色素を調整して「色」を作り出す遺伝的機能が備わっていたというのだ。
新たに発掘された翼竜の化石から羽毛の痕跡
羽毛が発見されたのは、ブラジル北東部で発掘された1億1500万年前の翼竜、「トゥパンダクティルス・インペラトル(Tupandactylus imperator)」の頭部の化石からだ。2億3000万年~6600万年前、恐竜と一緒の時代を生きていた。
「
トゥパンダクティルス」属は巨大なトサカで知られている。今回の発見よれば、そのトサカの下の部分には、短い産毛のような羽毛とふわふわと枝分かれした、分岐構造を持つ羽毛が生えていたようだ。
トゥパンダクティルスのイラスト。トサカの下の部分に黒っぽい産毛と枝分かれした明るい色の羽毛が生えている / image credit:Credit: c Nicholls 2022 Copyright Bob Nicholls 「こんなものが見つかるとは予想外です」と、アイルランドの国立大学、ユニバーシティ・カレッジ・コークのオード・シンコッタ博士は話す。現代の鳥と同じく、その羽毛は先端から根元まではっきり枝分かれしていたそうだ。
翼竜に羽毛が生えていたかどうかについて長いこと議論されてきたが、今回の発見で決着がついたという。
トサカの下部に生えていた羽毛 /Copyright Julio Lacerda
様々な色を作り出すメラニン色素を発見
更にこの羽毛には、驚くべき特徴があった。
残羽毛を電子顕微鏡で観察してみたところ、細胞小器官「メラノソーム」から顆粒状のメラニン色素が発見されたのだ。そうしたメラノソームは羽毛の種類によって形状が異なっていた。
軟組織に残されていた様々なメラノソーム / image credit: Cincotta et al., doi: 10.1038/s41586-022-04622-3. 現代の鳥類の場合、羽の色はメラノソームの形状によって大きく左右される。
翼竜でも羽毛の種類によってメラノソームの形が違ったということは、彼らの羽にもまた異なる色を作り出す遺伝的メカニズムが備わっていたということだ。
メラノソームは羽毛にさまざまな色を浮かび上がらせるには不可欠な仕組みで、ごく初期の羽毛にとっても色が重要な機能だったことが窺えるという。
具体的にどんな色をしていたかは不明だが、大きさや形状の変化から、多様な色を持っていたことが推測される。
現代の鳥類の場合、オスのみがカラフルで複雑な羽毛を持っている種があるが、もしかしたら翼竜にも同じような仕組みが備わっているのかもしれない。
References:Pterosaur discovery solves ancient feather mystery / Pterosaurs Could Control Their Color Using Melanin Pigments | Sci-News.com / written by hiroching / edited by / parumo
貼り付終わり、
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