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耳鳴りの音を客観的に測定する方法が開発される / Pixabay
そこにないはずのない音が聞こえる「耳鳴り」は、世界では2割もの人たちが慢性的に経験しているごく一般的な症状だ。
その音は「キーン」「ピーン」といった金属や電子音のような高音や、「ゴー」「ブンブン」といった低音であると表現されるが、なにしろ脳の中で鳴っている音なので本人にしか聴こえない。
つまり、それを客観的に診断する方法がないのだ。耳鳴りの患者が病院に行っても、医師は患者の証言を頼りにするよりないのである。
だがオーストラリア・メルボルン大学などの研究グループによって、ついに頭の中で鳴っている耳鳴りの音を客観的に測定する方法が考案されたそうだ。
耳鳴りは頭の中で鳴っている
耳鳴りの研究が大きく進むようになったのは、体を傷つけることなく、しかも基本的に無音で脳内の血流を観察することができる「
機能的近赤外分光分析法(fNIRS)」に負うところが大きい。
耳鳴りの検査として初めてfNIRSが利用された研究では、右聴覚皮質の血流の増加が確認。その後も、その付近にある「前頭皮質」や視覚処理領域といった、聴覚領域以外の場所も関係しているらしいことが観察された。
つまり耳鳴りは、内耳の異常が原因で聞こえるものがある一方で、神経細胞の発火や結合の変化のせいで脳の中だけで鳴り響いてしまっている場合もあるということだ。

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耳鳴りの有無、重症度を高確率で識別することに成功
今回の研究では、耳鳴り患者25名と健康な対照群21名を対象に、耳鳴りと関係があるとされる側頭葉・前頭葉・後頭葉をfNIRSで検査。それから機械学習アルゴリズムをもちいて、その検査データと耳鳴りの大きさ・不快さの分類が行われた。
検査の結果、耳鳴り患者にのみ、脳の側頭、前頭、後頭の領域間で強い接続性の変化を確認。アルゴリズムはfNIRSの検査結果から耳鳴りの有無を78%の正解率で言い当て、さらに耳鳴りの重症度も87%の正解率で分類できるようになった。
耳鳴りはそれ以外の感覚情報処理に影響を与えている可能性
なお今回の研究では、耳鳴りの重症度が高い患者は、高確率でうつ病や不安症を患っており、知覚される音の強度とストレスも大きいこともわかった。
これは耳鳴りが音声信号だけでなく、それ以外の感覚情報の処理にまで影響を与えている可能性があるということだ。つまり耳鳴りは、ある人が世界で体験するすべてを歪めてしまっているのかもしれないのだ。
今回これまで患者からの自己申告に頼るよりなかった耳鳴りの診断を、fNIRSと機械学習をもちいることで客観的に行えることが証明された。客観的で正しい診断は、正しい治療にもつながることだろう。
この研究は『
PLOS One』(11月18日付)に掲載された。
References:inverse / sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo あわせて読みたい
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◆個人の頭の中にだけ聞こえる「耳鳴り」を客観的に測定する方法https://1tamachan.blog.fc2.com/blog-entry-21457.html
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