実は、金星、タイタンの上層大気には、地球の数倍の電位差が存在することが観測衛星でわかっている。また、地球大気には地表で1mあたり100Vの大気電位が存在する。大気電位は上昇するにしたがって、1mあたりの電位差が小さくなり、高度30km付近で0Vになる。この高度では気圧も0だ。
イオン風という現象がある。イオン風は高圧を加えた電極間に空気の流れができる現象だ。大気では、大気電位がイオン風を下向きに起こしている状態といえる。つまり、「大気圧は大気電位が作り出している圧力」なのだ。
一般には高気圧、低気圧は空気が太陽熱で暖められる結果、空気の密度が変化するために生じると説明される。しかし、空気が少し混ざると熱は平衡状態になるので、圧力差もなくなる。一方、電気的地球科学では、高気圧は地表と電離層の間の電圧が高くなるために、低気圧は電位差を埋めるために、地表からは電子、電離層からは陽子が移動している状態と考えている。気圧は電気的な現象なのである。
■雨は空中で合成される
通常、雨は蒸発した水蒸気が過飽和状態になり雲を作り、そこから結露した水が雨となって降ると説明される。しかし、1時間に100ミリ以上の豪雨が降る理由は、過飽和水蒸気では説明できない。少し雨が降ると空気中の水蒸気が減るので過飽和状態ではなくなるからだ。この動画を見て欲しい。滝のように降る雨は過飽和水蒸気ではないことが直感できる。
低気圧は地表から電子が、電離層から陽子が移動している状態だと説明したが、実は雨は地表と電離層の間の空中で合成されているのだ。大気の成分は窒素と酸素だ。酸素に紫外線が当たるとオゾンになる。オゾンは電離層から降ってくる陽子、水素イオンと出会うと水になる。このときオゾンと水素イオンを結合させるのが電子だ。
オゾン、水素イオン、電子の3つが出会うことで雨が降る。ある調査では大量に雨が降っている時、酸素濃度が低下することが観測されている。気象衛星ひまわりの動画を見ると、夜が明けるとき、大量の雲が発生している瞬間を見ることができる。これは2018年7月の豪雨のときの動画だ。夜が明けるとき、雲が沸きあがるように発生していることがわかる。
■なぜ、地表では風が吹かない?
ここで、台風に関するもうひとつの難問を取り上げよう。地球が自転していることは誰もが知っている。まったく実感できないが、赤道付近では時速1700km以上で地面が動いているのだ。日本付近の緯度でも1400kmの移動速度だ。ところが、これだけの速度で移動しているにも関わらず、地表にはほとんど風が吹かない。通常、地球の自転により地表で風が吹かないのは、大気が慣性で地球と一緒に回っているためだと説明される。ところが、気体にはほとんど慣性が働かないのだ。扇風機で風を送ることを考えればすぐにわかる。部屋の中で扇風機を回しても、風はすぐ近くでしか感じられない。
仮に空気に慣性があったとしても、地球の回転により常に空気をあおってやる必要がある。つまり、地上の山や建物が扇風機の羽根の役割をして、空気を自転方向に押し出すことが必要なのだ。たとえば、日本なら地面は秒速400mで動いているので、富士山や高層ビルが空気を押していることになる。猛烈な風が常時吹いていることが想像できるだろう。
ところが、実際の地表にはほとんど風がない。台風が来ても秒速40mくらいの風が吹くだけだ。計算上の10分の1しかない。なぜ、地表では風が吹かないのか? これは誰も気が付かない大問題なのだ。
さて、電気的地球科学では地殻から電子が電離層に向かって移動していると予想している。電子の移動が大気圧の原因だ。電荷が移動するとき、回転力が生まれる静電モーターがある。片側から静電気を加え、もう片側から放電させると静電気を移動させている物体が回転するのだ。
地表付近から上空に電子が移動するとき、電子を伝える大気が静電モーターとして機能する。すると、地表付近の大気は地球の自転と一緒に動いていく。高度が高くなると電子が放出されるので、静電モーターの効果が薄れるので、風が次第に強くなっていく。これが地表で風が吹かない理由だ。
以上が電気的地球科学からみた台風発生のメカニズムである。前回の「台風と地震の密接な関係」でも指摘したように、現在日本列島に接近中の19号は、首都圏を直撃すると予想されているが、ちょうど、10月9日16時48分ごろに東京直下でM3.5の地震があった。この原因となった電子の沸き上がりが台風19号を引きつけている可能性が高く、東京を中心に大きな被害が出ることが予想される。防災対策は十分にしておきたい。
文=平清水九十九
*パチパチ~大拍手!
>気圧は電位差が作っている
>電気的地球科学からみた台風発生のメカニズムである
・電子を操作すれば気象操作は容易に可能となりますね!