ブラックホールから“UFO”が出てきていることが最新の研究で明らかになった。
このニュースは多くの海外UFO・オカルトサイトでも話題になっているのだが、実はUFOと言っても未確認飛行物体(Unidentified Flying Object)ではなく、Ultra Fast Outflow(超高速アウトフロー)の頭文字を取ったものである。超巨大ブラックホールから放出されるこのUFOが銀河の形成に重要な役割と担っていることがイタリア・ブレラ天文台の物理学者ロベルト・セラフィネリ博士らの研究で分かったのだ。米「Fox News」(8月21日付)が報じている。
UFOの正体はイオン化された高熱ガスであり、いくつかの銀河において中心が闇に包まれているのはUFOのためだという。セラフィネリ博士によると、これまで超巨大ブラックホールの密度と星が拡散する速度には相関関係があることは分かっていたが、ブラックホールの重力効果だけでは説明できなかったそうだ。
そこで、PG 1114+445という銀河を研究したところ、欧州宇宙機関(ESA)のX線観測衛星のデータからUFOが流れ出ていることが明らかになった。UFOはブラックホール近くの電離吸収体(warm absorber)に送られ、信じられないようなスピードで吹きすさんでいたという。この状態をセラフィネリ博士は“同伴UFO”と名付けた。同伴UFOは、ちょうど海上のボートを押す風のようなものであり、星間物質を押し流しているとのことだ。
同伴UFOが観測されたのはこれまでにわずか6回。電離吸収体の他にもう1つのアウトフローがあることは知られていたが、まだまだ分からないことは山のようにあるという。
「同伴UFOが検知されたのは6回目です。これは全く新しい知識なのです。ブラックホールから流出するアウトフローは観測されてきましたが、それらの繋がりは分かっていませんでした」(セラフィネリ博士)
同伴UFOが繰り返し起こる現象なのか、比較的珍しい現象なのかもこれから研究するとのことだ。セラフィネリ博士は今後10年で多くのことが発見されるだろうと期待を膨らませている。
ところで、超巨大ブラックホールからは未確認飛行物体の方のUFOも飛び出しているかもしれない。というのも、ロシア科学アカデミーの宇宙学者、ヴャチェスラフ・ドクチャーエフ博士が、2011年にコーネル大学の電子ジャーナル「arXiv」に発表した論文によると、超高度な科学力を持つ宇宙人がブラックホールの中に住んでいるというからだ。
ドクチャーエフ博士は、回転するブラックホール内部についての理論的な計算を繰り返し行った末、ブラックホール内部の一部領域に、安定的で規則的な周回軌道が存在していることを突き止めたのだ。この軌道上にいったん乗ってしまえば、中心に吸い込まれることなく永続的に周囲を周回し続けることができるのである。結局のところ地球が太陽の周囲を回っているように、超大質量ブラックホールの内部でも中心から一定の距離を保った周回軌道があり、その軌道上で宇宙人たちは暮らしているという。
とはいえ、安定した軌道から抜け出ることは危険だ。この周回軌道は、実はブラックホール特有の「事象の地平面(event horizon)」に存在し、そこを越えればブラックホールへ落ちてしまう。まさに瀬戸際の境界線上にある事象の地平面なのだ。
すると宇宙人らは、ブラックホールの外に出るために高速アウトフローを利用している可能性もあるだろう。宇宙船を高速アウトフローの風に押してもらって安全な場所まで出ているかもしれない。
これは憶測に過ぎないが、ぜひともドクチャーエフ博士の見解を聞いてみたいものだ。今後の研究に期待したい。
参考:「Fox News」、ほか
編集部
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