貼り付け開始
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Gerd Altmann from Pixabay
ここ数年、スリルを求めるハリウッドやシリコンバレーの関係者たちの間では、南米にある隠れ里が人気旅行スポットとなっていた。
その目的は
バニステリオプシス・カーピというつる植物を原料とした秘密のカクテルだ。
これは「アヤワスカ」といい、原住民のシャーマンが儀式などの際に使用してきた幻覚性の強い飲料で、噂によるとガラッと人生観を変えてしまうような神秘体験ができるという。
その有効成分は
ジメチルトリプタミン(DMT)という分子なのだが、米ミシガン大学医学部の研究チームによると、なんとそれは哺乳類の脳には普通に存在するものなのだそうだ。
はたして、一体何のためなのだろうか?
脳に存在する小さな内分泌器「松果腺」
17世紀、哲学者ルネ・デカルトは、脳の中央部にある小さな松ぼっくりのような「
松果腺(しょうかたい)」と呼ばれる器官には、魂が宿っていると考えた。
彼の時代でも存在が知られていた松果腺であるが、それは第三の目と呼ばれるほどに謎に包まれた器官だった。
現在では、それが眠りのリズムに関係する
メラトニンの分泌を制御していることが判明している。だが、ジモ・ボルジギン氏の研究は、そこに謎めいた力が秘められていることを十分納得させてくれるだろう。

Gordon Johnson from Pixabay
松果腺から分泌されるジメチルトリプタミン(DMT)
発端となったのは、ニューメキシコ大学で行われた研究をテーマにした、1990年代のあるドキュメンタリー番組だった。
その研究では人間にジメチルトリプタミン(DMT)を注射し、その効果が切れた後に被験者にインタビューをした。その結果、実験を行なったリック・ストラスマン氏は、松果腺からはDMTが分泌されていると確信するにいたった。
長年松果腺を研究対象としていたボルジギン氏であったが、そんなことは初耳だった。そこでストラスマン氏に接触し、その結論にいたらせたデータについて問い合わせてみると、ただの仮説に過ぎないとのことだった。
だが、これをきっかけに、二人は共同で研究を行うことになる。
そしてラットの松果腺に微小透析管を挿入し収集したサンプルを解析すると、確かにそこにはDMTがあることが判明した。この結果は2013年の研究論文で発表されている。
松果腺以外の場所でもDMTは作られている
だがボルジギン氏はこれで満足することなく、今度はDMTが合成される仕組みと場所を突き止めたいと考えた。
そこで彼女が指導していた学生で、今回の論文の著者であるジョン・ディーン氏に、DNAの標識付き相補鎖を用いて、組織の中にある特定のRNA配列の位置を特定する実験を行わせた。
これによって明らかになったのは、DMTを作るには2つの酵素を持つ神経細胞が必要であるということだった。
だが意外なことに、それは何も松果腺内だけに存在するわけではなかったのだ。そうした神経細胞は、学習や記憶といった高次機能を担う新皮質や海馬など、脳の他の領域にもあった。
この結果は『Scientific Reports』(7月27日付)に掲載されている。
https://www.nature.com/articles/s41598-019-45812-w 
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DMTと臨死体験との関係
この研究ではもう一つ、心臓が止まったときにDMTの濃度が高まることも明らかになっている。じつは、これに関して面白い報告がある。
それは2018年のイギリスの別の研究者によるもので、DMTは臨死体験を引き起こしているのではないかというものだ。
ご存知のように、臨死体験をした人たちから、自分の体から抜け出したといった証言や死んだ家族に会ったといった証言が聞かれている。
一方、アヤワスカを飲むと、幾何学模様や動物・人のイメージが見えたり、あるいは声が聞こえたり、自己肯定感を高めたりしてくれるらしい。
これらはもしかしたら同じ脳内の現象でしかないのだろうか?
そうなのだとすれば、死の間際の体験とは単なる幻覚作用でしかないということになる。神秘的な体験を味わえるアヤワスカであるが、それは神秘的なはずの臨死体験を即物的で現実的な体験に引き摺り下ろしてしまう飲み物なのかもしれない。
References:‘Mystical’ Psychedelic Compound Found in Normal Brains/ written by hiroching / edited by parumo あわせて読みたい
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貼り付け終わり、
脳の中央部にある小さな松ぼっくりのような「松果腺(しょうかたい)」
↓
ジメチルトリプタミン(DMT)
↓
心臓が止まったときにDMTの濃度が高まる
↓
臨死体験
↓
幻覚作用
*素晴らしい研究&仮説だ(=・ω・=)にゃ~♥
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