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炎やアーク放電など、プラズマは高温を発する性質がある。しかし気圧を下げると、低温でもプラズマが発生するようになる。これが非熱プラズマだ。
その利用は以前から進んでいるのだが、これを応用して、新たに空気の殺菌を行う装置が開発された。空気の中を漂う危険なウイルスをプラズマで駆逐する超高性能フィルターである。
このリアクターは空気が流れ込むようにできている。そして気流がビーズの隙間を通過するとき、そこに漂うウイルスを「ラジカル」という不安定な原子によって酸化してしまうのだ。
今、米ミシガン大学の研究チームは、感染したブタが飼育されている養豚場でその威力を試しているところだ。施設から吹き出てくる病原菌入りの排気できちんと効果を発揮できるかテストしているのだ。
こうした実験を経て、改善が進めば、将来的には人が着用可能なフィルターも実用化されるかもしれない。たとえば、感染した患者と向き合わねばならない医師のマスクなどにはぴったりだろう。