貼り付け開始
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現代の寝室は夜になっても、テレビ、パソコンの画面、クロックラジオ、電子機器のオンオフライトに至るまで、様々な光にあふれている。しかしこれが問題になっているという。スイス、バーゼル大学のジョージ・ブレイナード博士率いる研究チームは、夜に慢性的に光を浴びると、健康に様々な悪影響を及ぼすという研究結果を報告した。
その影響は、不眠、体重増加、精神障害、ガン、早期老化など多岐にわたるという。
なぜ、夜、光にさらされると体に悪いのか?それを理解するには、人類の進化について考えてみる必要がある。石器時代が終わる前、人類は概日リズムを定めるふたつの自然光にさらされていた。昼間、太陽の光にさらされ、夜は月や星明かり、あるいは焚火の火を浴びた。こうした昼夜二相の光は有無を言わさぬ自然のものであるため、人間の生物学的なプログラムもこの自然のパターンに従う以外なかった。
しかし、現代においては、私たちのまわりには夜でも人工的な光(LAN:lighting at night)がこうこうとしていて、状況はまるで違っている。室内の光は太陽光よりかなり弱いが、月光や星明かりより照度は大きい。
下記の表は、それぞれの光の照度を表している。これは対数尺なので、太陽光と月光とではかなり数値が違う。この違いは、コルチゾールやメラトニンの生成を伴う光の周期に関係する深刻な生化学的反応に影響を与える。
なぜ、そんなに夜の人工的な光が健康に悪いのか、それはメラトニンが抑制されてしまうからだという。メラトニンは夜暗いときに脳の松果体で作られる働き者の生化学物質で、私たちの睡眠と覚醒のサイクルを調整している。血圧やブドウ糖値、体温を下げ、生理的に安らかな眠りをもたらす。神経科医のジョージ・ブレイナードによると、光はまるでドラッグのように作用するという。
体の生物学的時計をコントロールする脳の部位は、視床下部にある視交叉上核(SCN)で、ここの細胞は光の明暗に反応する。目の視神経が光を感じると、SCNに信号を送り、脳に起きる時間だとおしえる。これがきっかけで、体温を上げ、コルチゾールのようなホルモンを放出し始める。夜はコルチゾールの値が低いため、私たちは眠ることができる。逆に昼は高いため、エネルギーレベルを安定させ、免疫機能の調整を行うことができる。
しかし、夜、不自然に人工的な光を浴びると、夜のコルチゾール値が高くなってしまう。すると眠りが妨げられ、体脂肪レベル、インスリン耐性、全身性炎症などに問題を引き起こし、睡眠負債(必要な睡眠時間と実際の睡眠時間の差)が大きくなり、神経調整本能が崩れる一因となる。
眠るときに部屋が暗いと、光の信号がSCNに働かないため、十分なメラトニンが出る。前日の昼間に十分光にさらされていると、メラトニンの値は安定する。
研究では、寝る前に部屋の明かりが強いと、薄暗がりに比べて、メラトニンの放出持続時間が90分短縮するという結果がでた。さらに普通は寝ているはずの時間に部屋が明るいと、メラトニンの量そのものも50%以上も少なくなるという。これは重大なことだ。
つまり、寝る前に寝室が明るいと体に影響が出る。タブレットやスマートフォン、さらに悪いのは、エネルギー効率の良い電球などは良くないということになる。
最近の多くの電子機器が放つ、発光ダイオード(LED)からのブルーライトは、特にメラトニンを抑制を助長してしまう。これはメラノプシンという物質がブルーライトにとても敏感だからだ。この物質は網膜の特殊な細胞の中にある光色素で、概日リズムを安定させるのに関わっている。
最近、研究者たちは大学生たちに、パソコンのモニターの光の影響に注意するよう警告している。タブレットのバックライトディスプレイもメラトニンを抑制して、眠りを妨げる。就寝前に光を放つ電子デバイスを使うのは、たとえメラトニンが抑制されなくても睡眠に障害が起こる可能性があるという。脳を覚醒させるような刺激を与え、ストレスがたまって、いい眠りがおとずれないという。
ガンとの関係
これらホルモンや生化学物質のバランスが崩れると、さらに悪い影響が出る。ガンもそのひとつた。原因ははっきりわかっていないが、研究では常に相関関係が示されている。
例えば、10年に渡る研究では、1670人の女性に睡眠時に強い光をさらした結果、暗闇で寝た人に比べて22%も高い割合で乳ガンになったという結果が出ている。わざと乳ガンを発症させたラットに、薄暗がりで寝た女性から輸血をすると、腫瘍が小さくなったが、明るい部屋で寝た女性の血液では、そのような効果は見られなかったという。
夜間シフトで働いている人には残念な結果で、夜間勤務のある看護師は、昼のみの勤務の看護師に比べて、乳ガンになる危険性が高いそうだ。
弱い光やブルーライトとうつや免疫反応の関係
残念ながら、夜の光は体になにひとついいことがない。薄暗がりの光でも長時間さらされると、ハムスターが大好物の砂糖水を飲まなくなるなど、うつのような症状を示した。しかし、強い光のない普通の昼夜の生活に戻すと、うつも回復した。研究者たちは、この薄暗がりによるうつは、腫瘍壊死因子と呼ばれるたんぱく質が原因ではないかと推測している。薄暗がりの光も長時間になると、免疫システムに悪影響を与える。
早期老化と心臓の障害
メラトニンには、酸化を防ぐ性質があり、老化を防止する重要な役割をもっている。人工的に老化させたマウスに、メラトニンを使うと酸化のストレスを軽減することができた。このマウスモデル実験によって、老化の基本メカニズムがわかる助けになった。アルツハイマーのような神経変性疾患と同じ遺伝子マーカーが見つかったのだ。ほかの研究でも、メラトニンの減少と心臓疾患との関連がわかっている。
体重増加
夜の光は、食べ物を摂取する時間が変わることによる体重増加の原因になる。夜、強い光にさらされたマウスは運動をさせても、暗闇に入れられたマウスより体重が増加する。メラトニンが少ないことと糖尿病とは関係があると言われているが、その仕組みはよくわかっていない。しかし、夜間の強い光がなんらかの関係があるようだ。
これらさまざまな研究結果から、寝室はできるだけ暗くし、就寝前にはブルーライトは避けるべきであることがわかる。そのためには、光を発する機器の電源を切って、闇に身をゆだねること。なかなか難しいが、できれば、寝る前はタブレットやスマホの画面を見るのをやめることだ。
via:io9・原文翻訳:konohazuku というか、子どもの頃から暗闇が怖くて、電気をつけないと眠れなかったパルモの場合には、体内時計がうまく起動しないようで、決まった時間に起きて決まった時間に寝るということがすごく困難な学生時代を過ごし今に至っている。なのでおそらくこういった理由があったんだなとは理解できた。
でもって今でも明るいまま、タブレットを片手に電子書籍を読みながら、あるいはゲームをしながら寝てしまうのだが、というか暗いと今だに眠れないのだが、お先真っ暗?部屋はこんなに明るいのに。これはもうメラトニンの錠剤とか飲んで調節するしかないのだろうか?
貼り付け終わり、
*そっかー 常夜灯の豆球点灯も駄目なんですね!
・気を付けまーす!!
夜型人間の人生がハードモードな理由(オーストラリア研究)http://karapaia.com/archives/52271197.html
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