アメリカは、ベトナム戦争で枯葉剤の不良在庫を抱え、その処分に困った。困った挙句に、日本政府に押し付けてきた。そこで、林野庁の高級官僚が、日本の国 有林に雑草対策と称して散布し、それでも処理しきれなかったので、国有林内の山に埋設投棄した。信じがたい蛮行である。それから歳月は流れたが、今も、枯 葉剤は、日本の山に眠っている。
枯葉剤というのは、ベトナム戦争時、アメリカ軍によって、ゲリラ掃討作戦の一環としてジャングルにまかれた、あの悪名高き枯葉剤のことである。枯葉剤の何たるかについては、(中)で詳しく述べる。
こ の枯葉剤の取材は、2015年8月24日である。その日の朝、空港から電話があった。「山中で、枯葉剤埋設投棄の看板を見たというYさんの案内で、これか ら大豊方面に向かいます」東京のルポライターMさんからだった。ニホンカワウソ、ニホンオオカミの取材で、私はMさんの有力な情報提供者だった。
「ちょっ と待て!オレも行くから南国の道の駅で待っていてくれ」そして、YさんとMさんと私の3人で、枯葉剤の埋設投棄現場に向かった。Y さんは、元林野庁の職員で、早稲田大の山岳部OB、ルポライターのM さんは、一橋大山岳部OB、私は、早稲田大探検部OBで、3人とも山歩きには慣れていた。3人とも野生動物に詳しく、私は、Yさんとも旧知の間柄だった。

看 板中の245Tというのが、問題の枯葉剤のことである。Yさんの記憶は10年ほど前のもので、なかなかここにたどり着けなかった。大豊町北部の立川川沿い の林道を3時間ほど上がったり下がったり、行ったり来たりした。YさんもMさんも諦めることなく、根気よく捜索を続けた。私は、(腹が減ったな。これだけ 探して見つからないなら、もう諦めて下山しようぜ)と心中思っていたが、口にはしなかった。工石山(1516m)の8合目付近だろうか、看板を見つけた時 は、(これで飯が食える)と思った。すでに午後3時を過ぎていた。5時ごろになって、ようやく人里にもどり、遅すぎる昼食にありついた。

看板の辺りは、8月だったが、100㎡ほど植物が生えていなかった。?まだ、枯葉剤が効いているのだろうか?

たぶん、この一斗缶に245Tを閉じ込めて埋設投棄していたのだろう。現場には、このような朽ちた一斗缶が5個くらい散乱していた。中身の245Tは、環境中に流れ出して、最終的には海に流れ出たのだろう。どれだけの動植物が、深刻な被害を受けたことだろうか。

木材の伐採をしている林業関係者以外に人の気配はなかった。沢の水は、あくまでも澄み切っていた。

森 林率84%の高知県ならどこでも見かける光景の中に、245Tは、埋設投棄されていた。県内の全域に、枯葉剤が散布、埋設投棄されたのである。当時、マス コミによって報道はされたが、「枯葉剤」という言葉は伏せられ、「除草剤」として報道されたから、あまり世論を喚起できなかったのであろう。

「仁尾ヶ内林道起点」から登って行ったところ、工石山の8合目付近に、枯葉剤は埋設投棄されていた。どういう神経で、そんなことができたのだろう?理解に苦しむ。
枯葉剤というのは、ベトナム戦争時、アメリカ軍によって、ゲリラ掃討作戦の一環としてジャングルにまかれた、あの悪名高き枯葉剤のことである。枯葉剤の何たるかについては、(中)で詳しく述べる。
こ の枯葉剤の取材は、2015年8月24日である。その日の朝、空港から電話があった。「山中で、枯葉剤埋設投棄の看板を見たというYさんの案内で、これか ら大豊方面に向かいます」東京のルポライターMさんからだった。ニホンカワウソ、ニホンオオカミの取材で、私はMさんの有力な情報提供者だった。
「ちょっ と待て!オレも行くから南国の道の駅で待っていてくれ」そして、YさんとMさんと私の3人で、枯葉剤の埋設投棄現場に向かった。Y さんは、元林野庁の職員で、早稲田大の山岳部OB、ルポライターのM さんは、一橋大山岳部OB、私は、早稲田大探検部OBで、3人とも山歩きには慣れていた。3人とも野生動物に詳しく、私は、Yさんとも旧知の間柄だった。

看 板中の245Tというのが、問題の枯葉剤のことである。Yさんの記憶は10年ほど前のもので、なかなかここにたどり着けなかった。大豊町北部の立川川沿い の林道を3時間ほど上がったり下がったり、行ったり来たりした。YさんもMさんも諦めることなく、根気よく捜索を続けた。私は、(腹が減ったな。これだけ 探して見つからないなら、もう諦めて下山しようぜ)と心中思っていたが、口にはしなかった。工石山(1516m)の8合目付近だろうか、看板を見つけた時 は、(これで飯が食える)と思った。すでに午後3時を過ぎていた。5時ごろになって、ようやく人里にもどり、遅すぎる昼食にありついた。

看板の辺りは、8月だったが、100㎡ほど植物が生えていなかった。?まだ、枯葉剤が効いているのだろうか?

たぶん、この一斗缶に245Tを閉じ込めて埋設投棄していたのだろう。現場には、このような朽ちた一斗缶が5個くらい散乱していた。中身の245Tは、環境中に流れ出して、最終的には海に流れ出たのだろう。どれだけの動植物が、深刻な被害を受けたことだろうか。

木材の伐採をしている林業関係者以外に人の気配はなかった。沢の水は、あくまでも澄み切っていた。

森 林率84%の高知県ならどこでも見かける光景の中に、245Tは、埋設投棄されていた。県内の全域に、枯葉剤が散布、埋設投棄されたのである。当時、マス コミによって報道はされたが、「枯葉剤」という言葉は伏せられ、「除草剤」として報道されたから、あまり世論を喚起できなかったのであろう。

「仁尾ヶ内林道起点」から登って行ったところ、工石山の8合目付近に、枯葉剤は埋設投棄されていた。どういう神経で、そんなことができたのだろう?理解に苦しむ。