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★「STAP問題」は、起こるべくして起きた、防ぐには仕組みが重要

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「STAP問題」は、起こるべくして起きた
2014年10月04日 小長 洋子 :東洋経済 編集局記者
http://toyokeizai.net/articles/-/49519

(撮影:今祥雄)

『噓と絶望の生命科学』を書いた榎木英介氏に聞く(上)


近著『嘘と絶望の生命科学』 (文春新書)で、STAP問題をはじめとして、生命科学分野で度重なる研究不正とそれが起きる背景を活写した榎木英介博士。今、科学の世界では研究費の配 分を巡り、極端な成果主義が横行している。その中で商業化した論文誌への過度の信用や、博士号を取得したにもかかわらず定職にさえ就けない、いわゆるポス ドク問題なども生じ、複合的に科学界を蝕んでいる。
榎木博士自身も東大理学部の生命科学系研究室から医学に転じて博士号を取得した。現在は病理医として活躍するかたわら、科学界の問題解消のため執筆活動も続けている。STAP問題でも、筆頭著者個人の問題は別としても、騒動の裏には同様の問題が流れているという。

――1月末に始まったSTAP騒動は現時点では一服したように見えますが、著書にある、背景となった問題は未解決のまま残されているように見えます。

STAP問題は世界共通の科学界の矛盾を明らかにしましたが、いずれも答えを出すのが難しい。与えるべきでない人に博士号を与えてしまったことに端を発し、理研が論文を広く宣伝してしまったという特殊な例ではあります。しかし、根底にあるのは教育のネグレクト(ないがしろにすること。育児放棄)であり、これはSTAPだけの問題ではありません。ネグレクトの問題を解決するのはたいへん難しい。

今 の大学には、基本をきちんと教える人が少なくなっています。本当なら、研究室に入ってすぐに研究させるのではなく、基本を学ぶ時間を与えなければなりませ ん。ところが、短期的な成果を求め、必要なテクニックだけは教えるが、じっくり育てる気も時間もない。大学院生を労働力、データマシンとしてしか見ていな い研究室も少なくない。大学院生を、学費を払って労働をしてくれる「カモネギ」だと言ってはばからない教授もいます。このため、実験ノートを取るといった 基本はおろか、論文の書き方もわからないまま放置され、いつまでたっても自立できないのです。

私が東京大学の浅島誠研究室に入った 1995年4月、『浅島研究室における哲学』13か条の書かれた紙が全員に配られました。この哲学は1977年に作られ、40年近く配られてきました。 「この内容が徹底されていればSTAPのような問題は起きなかった」と浅島先生はおっしゃいます。

主な内容は、学問に対するフィロソフィ を持ち、研究室内では相互に自由で建設的な議論をすること、コンプライアンスを遵守しミスコンダクト(不正)のないようにすること、確かな技術をまず身に つけること・・・・・・などで、今回問題として浮かび上がってきたことが網羅されている。しかしこういった基本的なことでさえ、きちんと実践している研究 室はそれほど多くありません。

過当競争が博士未満の人材を生み出した

――なぜそんなことになってしまったのでしょうか。

大きな問題は競争です。中でも研究費の獲得競争は熾烈です。科研費などの競争的資金が増え、実績、つまり論文をたくさん書かなければ資金を得られない。生命科学のような実験科学では、たくさん実験をこなさないと論文が書けないので手足が欲しい。博士課程に進んだ学生を、教育もそこそこに実働部隊として使うということになっています。

加 えて、文部科学省からは3年で卒業させることが望ましいと言う指針が出されています。義務ではないのですが、大学側も過剰適応してしまって、とにかく3年 で卒業させようとする。そのため、大学院生はとにかく論文を出さなければならない。ライバルもいるし、早く論文を出さなければ学振や科研費など公的研究費 も取れない。自己流でも何とかしてしまう優秀な人もいますが、博士号を取った助教クラスでも、研究者としてのトレーニングをされておらず、成果だけは教授 に奪われる、といった例が後を絶ちません。博士の称号は持っていても博士未満の人材を生み出しているのです。

――こういったことは日本だけの問題なのでしょうか。

競争の厳しさに関しては世界共通だと思います。ただ、アメリカの大学では一定の基準に達しなければ、何年経っても博士号を授与せず、退学する学生も多くいます。試験、審査も厳しく、基準以下の人には与えない。質のコントロールが徹底しています

――博士号を表すPh.D.とは、「人類の英知を知る人」のことであると聞きました。これまでサイエンス界を支えてきたのはPh.Dを持つ研究者同士の「信用」ではないかと思います。これがSTAP問題によって崩壊した。

これをたいへん心配しています。海外の研究機関から、「日本のPh.Dは信用できない」「今後、早稲田大学のPh.D.は研究室に採用しない」という声が出ていると聞いています。留学生を増やそうと言っているときに日本の学生が留学できない。また日本の学位への信用が地に落ちた状態では海外からの留学生の獲得もままならない。STAP問題が、国益を大きく毀損していることは間違いがありません。

解決されないポスドク問題

――ポスドクの問題は深刻ですね。

博士課程に進む人数は増えていますが、大学の教員や任期付きではない研究職のポストは増えていない。 1996年に施行された第1次科学技術基本計画のなかで、いわゆる「ポスドク1万人計画」がありました。ポスドクとは、ポストドクトラルフェロー、つまり 博士号を持つ研究員です。大学教員などの任期のない職に就いていない研究員のことで、研究のスピードアップには欠かせないとされ期待もされました。しか し、現在1万6000人いるポスドクの多くは、低収入でせいぜい4~5年の任期の職に甘んじるか、職にも就けずさまよっている状況です。年収300万円以 下の人も多い。

これは日本的な就労システムの影響もあると思います。そもそも、企業には新卒一括採用、年功序列、というしくみがあります が、博士号を取得して数年ポスドクを経験するとおおむね30歳台中盤になっているため、新入社員であってもそれなりに遇さなければなりません。さらに「博 士はプライドが高いうえ頭が固い、専門にこだわりが強く扱いにくい」というイメージが先行しています。これが企業への就職の障壁になっています。

―― 一般企業を取材すると、よほどの研究開発型企業でない限りは、実際にそのような話をききます。上司が博士号を持っていないとバカにして言うことを聞いてく れない、狭い領域の専門にしか関心がなく、専門から少しでもはずれたことを頼むとやめてしまう、などのエピソードもあります。

単 純に相性の問題もあるかもしれませんが、たしかに博士は長年研究室にこもっていたためアカデミアの外の世界を知らないことも多い。一般社会の常識を身につ けるのに時間がかかるなどの問題はあります。米国でさえ企業に入って馴染むのに2~3年はかかると言います。しかし、研究に対する集中力や、サイエンスに 対する幅広い理解力など、よい面もたくさんあります。個人的に高い能力を持っている人が多いので、おそらくアカデミア以外の世界に進んでいたとしても活躍できたであろう人材です。こういうリソースを生かさないのは国家にとっても損失ではないでしょうか

――どのようにすれば活用できるでしょうか。

そ のためにはマッチングが重要になります。2008年から文部科学省の「ポストドクターキャリア開発事業」の助成を受けて、旧帝大などいくつかの大学でキャ リアアドバイス、企業との交流会、マッチング、インターンシップなどの事業が行われています。北海道大学などではうまくいっているようですし、大阪府立大 学や岐阜大学など、大学として積極的に取り組んでいることをアピールすることで博士課程への進学率が改善していると聞きます。ただ、旧帝大の多くは組織が 大きすぎて動きが鈍い面はあるようです。とにかく地道にやるしか方法はないですね。

※続きは10月6日に掲載します。

「STAP問題」、防ぐには仕組みが重要
2014年10月06日 小長 洋子 :東洋経済 編集局記者
http://toyokeizai.net/articles/-/49524


『嘘と絶望の生命科学』を書いた榎木英介氏に聞く(下)

再発を防ぐためには?

――さまざまな問題を抱えつつも研究不正の再発を防ぎ、信用を回復するためには、どうすればいいのでしょうか。


生 命科学分野では、STAP論文のように、多くの研究室と研究者のコラボによる研究が増えていて、相互の信頼がベースになっています。研究分野が細分化され たうえ多岐にわたり、隣がやっていることがよくわからなくなっています。この状況で、ひとつひとつのデータが正しいかどうか、すべてを検証することは難し い。まずは、羊の群れに狼を入れないこと。つまり基準に達しない博士をなくすことです。そのためには学位の授与を厳しくする

もう一つは、不正をしたら損をする、ということを徹底することです。 現在でも犯罪にこそなりませんが、不正が明らかになれば科研費は10年間停止となり、他の研究者からの信頼もなくしますから、事実上研究はできなくなりま す。医薬品など応用研究の場合には逮捕に至る例もあります。しかし、わかっていても不正を行う者は出ます。不正をしてでも論文を書き、いったん評価を受 け、ポジションを得てしまうと、それを変えることは難しい。厳罰を科すことよりも構造を変えることのほうが大事なのです。

――どのように変えればいいのでしょうか。

評 価システムを変えることです。今は、有力な論文誌に掲載されれば、そのこと自体が評価を高めますし、マイナーな雑誌であっても論文数が多ければ評価され る。引用数が多いことも重要なファクターです。論文の内容そのものよりも、こういったインパクトファクターが重視されることに問題があるのです

ネ イチャー誌は商業誌ですから、広告費を得るために、どうしてもインパクト重視になりがちです。生態学や進化学など、研究者が少なくインパクトが小さいため にほとんど掲載されない分野もあります。商業誌の判断としては正しいのだろうが、それによって科学の価値を判断されてしまう状況は、非常に危ういと言えま す。サイエンス誌はAAAS(全米科学振興協会)というNPOが出版しており、まだバランスが取れていると思いますが、それでもネイチャー誌と競ってイン パクトの高い論文を掲載しようとしています。

ただ、『PLOS ONE』をはじめとする、オープンアクセスジャーナルという新しいスタイルが現れています。『PLOS ONE』は、論文著者が1350ドル(15万円弱)の掲載料を支払い、査読を経た論文はインターネット上で無料で公開され、誰でもアクセスできる。論文完 成前に一度オープンにして査読を受けるしくみで、評価システムもきちんとしている。

学会を活用することもできますが、学会を離れて若い世 代が建設的に議論をする場があってもいい。STAP論文でもそうでしたが、web上で匿名で多くの科学者が「査読」しオープンに議論する、ソーシャル査読 も実際に行われています。こういったweb社会のしくみをうまく使っていくことは、今後より重要になっていくと思います。

――有力誌に掲載するには30万~50万円ほどかかるうえ、購読者しか読めません。査読は科学者のボランティアと聞いているのに不透明に感じますから、期待できますね。

ただし、ビジネスモデルとしてはなかなか難しいようですし、ニセサイトの問題が起きています。査読システムもなく、掲載料を払ったあとに雑誌そのものがなくなってしまった、ということもおきています。信頼性の高いところを選ぶ必要があります。

日本にも研究公正局の設置が必要

――もうひとつ、不正への対応が、大学や研究機関によってかなり幅があるように見えます。統一的な不正防止機関が必要なのでは。

研 究不正防止策の例としてアメリカの研究公正局があげられますが、これは取締機関ではありません。倫理教育を重視し、調査や処分についての統一基準を作って います。また、不正が起きたときには事例を実名入りで記録し、モデルケースとして公表しています。次に起こさないためにどうするか、が重要なのです

日本でも、研究公正局はぜひ作って欲しいですね。 STAPについても、問題を矮小化せず、克明に記録していくことが必要なのですが、今のところそういう機関はありません。倫理教育については日本学術会議 などが議論しているところですが、調査や処分は統一されておらず、大学や研究機関によってまちまちです。記録も内部の記録だけでは不十分です。

医療の現場では、事故には至らないまでもヒヤリ・ハットは起きます。こういった事例を集めて分析し、次に起こさないために記録しています。アカデミアでも同じようなことをする人たちが必要なのです。

日 本の科学界には、いまやっていることを客観的に批判できる人がいません。STAP問題によって科学がハリボテではないかという疑念が一般の中にも生まれま したが、反動でまたiPSがもろ手を挙げて歓迎される。網膜再生の高橋政代先生が「リケジョの星」などといわれるようでは、STAPの轍を踏もうとしてい るように見え、非常に違和感があります

科学を客観的に監視するシステムが必要

――メディアも含め、一般社会の科学リテラシーが低いという問題もあります。

ですので、客観的に科学を批判し監視する、現在のような科学者がやりたい放題の社会ではなくするために、ポスドクたちに、発信してもらいたいのですね。アメリカのAAAS(全米科学振興協会)のように、どこにも属さずに独立で強力な権限を持つ組織を立ち上げて、専門知識を持つ人たちに、社会の中から科学に貢献してほしい。単なる批判ではなく、建設的な意見を言っていく。ネット上でも匿名で意見を言う人も増えていますので、そういう人たちもうまくまとめていく。一般の人たちにも関心を持って、声をあげていただきたいですね。

ツイッターのようなところに現れてくる、社会の中にある批判や疑問、要望を吸い上げてビッグデータに集約し、科学の世界に反映させるような方法が必要だと考えます。

――こういった仕組みを作るのに、ポスドクはうってつけですね。

研究公正局以外にも、専門知識を持つポスドクにふさわしい仕事はあります。現在は政治が決めているような科学の予算配分、科研費の配分などのファンディング事業にも、専門知識があり、どの研究室にも利害関係を持たない独立の存在が必要です。

理研がSTAPのときに報道を使って大々的に公表したのは、それを見た政治家を通じて大型の予算の獲得を狙ったものだと見ることができます。通常の研究費配分についても、研究者同士で審査をさせていると、関係のある研究者に手厚くなることは否定できない。そういったことをなくし、公 平な予算配分、研究費の配分を行うために、研究者の片手間仕事ではなく、科学を知っている人に専任させる。中立で横断的な権限を持った組織に、目利きとし て専門知識を持ったポスドクを置く。文科省の概算要求の中にファンディングのリサーチアドミニストレーターを置くという項目がありますが、こういうところ にポスドクを活用できます

NIH(アメリカ国立衛生研究所)でも、Ph.D.を持つが研究をしない専門官が、予算配分などの業務に専任していると聞きます。ポスドク問題の解決手段のひとつにもなりますし、研究不正の対応や研究費配分の公平性を担保することにも貢献できます。

若手科学者の希望を失わせないために

――透明で公正な競争環境をつくることが、研究不正をなくす根本治療になるのですね。

でも、これだけでは不足なんです。いま科学界で最大の問題は、若手の希望が失われているということです。予算に縛られ、研究室のボスに縛られて、科学者の自律が失われています。公正な競争ができる環境を整えることによって、新しい体制を作り出すことが必要だと思っています。

研 究者の世界のなかだけでなく、科学界で切磋琢磨して磨かれた人材に活躍してもらえる社会体制を作っていく。何も博士を特別扱いしろ、というわけではありま せん。博士号をとるほどの人材を生かすことで、新たな経済成長ができるのではないか。そういった試算もしてみたいと考えています。

もう一つは、開かれた研究社会を作るということです。これまで大学や特定の研究機関が「知」を独占してきました。若手の研究者はその中でしか生きられないと思い込み、煮詰まった状態になっています。不正をしてでも生き残ろうという人が出てくるのもこういう背景があるからです。

科学研究を閉じた世界にせず、オープンアクセスにして、科学のすそ野を広げることが、この閉塞感の突破口になると考えています。 最先端の英知を求めるだけが科学ではありません。大がかりな設備も高価な試薬も必要ない科学もある。現に科学者の中にも自宅の一部屋をラボに改造し 「DIYバイオ」を実践している人もいます。時間貸しの貸しラボを作ろうとしている人もいる。そういう場所を使い、必要になればクラウドファンディングで 資金を調達し、地域に根ざした研究をする。趣味として余暇に行う研究であれば不正も出世も関係ありません。

純粋な科学が身近にある、そんな社会になっていけばいいなと思っています。


榎 木英介(えのき・えいすけ)●病理・細胞診専門医。1971年神奈川県生まれ。1995年東京大学理学部生物学科動物学専攻卒、同大学院博士課程中退 後、神戸大学医学部医学科に学士入学。2004年医師免許取得、2006年博士(医学)。近畿大学医学部病理学教室講師。科学技術政策や、ポスドク問題に 関心を持ち、科学コミュニケーションに関する活動を行う。著書に『博士漂流時代』(DISCOVERサイエンス、科学ジャーナリスト賞2011受賞)、 『医者ムラの真実』(ディスカヴァー携書)、『嘘と絶望の生命科学』(文春新書)など。

知の世界も、DIYの時代でしょうか。
そもそも学者が、地位も名誉も金も欲しいと言いだしたところから、おかしくなりはじめた気もしなくない。
これは、官僚にも言えることで・・・職業選択の誤りです(笑)
科学研究の世界も、居座った上がやりたい放題のブラックに見えたり。
犯人裁いてオシマイではなく、それを教訓に如何にシステムを改善していくかに尽きるでしょうね。
メモ。


ameblo.jp/ghostripon/entry-11935443941.html
ゴーストライポンさんちから転載しました。



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2014年10月07日 | STAP細胞 | トラックバック(0)件 |
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