ビタミンAの過剰症は恐れるに足りない 例えば、最初にビタミンAの過剰症が出たのは、北極で白熊を殺して、その肝臓を食べた人だった。ビタミンの必要量というのは、種類によって単位がバラバラである。例えばビタミンCはグラム単位だが、ビタミンB
1はミリグラム単位。いま問題にしているビタミンAは、マイクログラム単位である。ビタミンCと比べれば100万分の一単位ということになる。ほんの微量で足りるビタミンなのである。
ところが白熊の肝臓には、ビタミンAが1グラム当たり何百万単位も含まれている。その肝臓を何十グラムも食べてしまったわけだから、摂取したビタミンAは極端すぎるほど、非常識な量だったのである。
もう一つ、ビタミンAの過剰症が赤ん坊に出たことがある。ビタミンAは成長ビタミンだという話を聞いた母親が、自分の子供に大量の肝油を与えてしまった。このケースでも、小さい赤ん坊が毎日5万単位から10万単位のビタミンAを摂取していた。とてもじゃないが、常識的な量とはいえない。
また、アメリカでは一時、妊娠中にビタミンAをたくさんとった妊婦が肢体の不自由な子どもを出産したことが問題になった。これも、決して日常レベルの摂取量とはいえないものだった。アメリカはビタミン剤が普及していて、スーパーでも自由に買うことができる。ビタミンAはニキビの治療薬になるため、若い妊娠適齢期の女性たちが大量にその錠剤を飲むことが多かった。医者の処方を受けているわけではないので、その量は歯止めが効かない。そのため、過剰症を起こしてしまったわけである。
この場合、量も問題だが、摂取したビタミンAの質も問題だ。市販の錠剤に含まれているビタミンAは天然のものではなく、合成品であることが多い。合成品は天然のビタミンAに比べると働きが鈍いから、効果を上げようと思うと、どうしても量が増える。そのため、ますます過剰症を起こしやすくなってしまうのである。こうした特殊なケースだけを取り上げて、過剰症を極端に恐れるのは、「過剰反応」ということである。
ただ、ビタミンAを過剰に摂取した妊婦がすべて肢体の不自由な子どもを出産したわけではない。過剰な摂取が必ず過剰症につながるわけではないのだ。実際、10万単位のビタミンAを何ヶ月も続けて摂取しても、過剰症が出ないケースもある。
これはなぜか。
ビタミンAには、界面活性作用という脂を溶かす石鹸のような作用がある。それが細胞膜を不安定にして過剰症の原因になるわけだが、ビタミンAが血中に有る時にタンパク質と結合していれば、この界面活性作用は消えていまう。つまり、良質なタンパク質をキチンと摂取していれば、過剰症は起こらないのである。☆いずれにしても、普通に暮らしていればビタミンAの過剰摂取に陥る心配はない。 参考文献:三石巌著 医学常識はウソだらけ
☆ビタミンA:初めからビタミンAのかたちで動物性食品に多く含まれるレチノールと、緑黄色野菜に含まれるβ-カロチンがあります。レチノールは、動物性食品に多く含まれますが野菜類にはほとんど皆無です。一方、カロチンというのはプロビタミンAともいわれ、ビタミンA(レチノール)に変わりますと、一般には考えられています。 ところが現実は、β(ベータ)カロチン→ビタミンAに、そう簡単には転換してくれません。
☆病気治しの場合:ビタミンA含有食品+サプリメントのビタミンAの摂取をお勧めします。
でも、サプリメントのビタミンAは入手しにくいので、ご紹介しておきます。
①三石さんがご自身のために作った会社~株式会社メグビーの『メグビーA』がベストです。
http://megv.co.jp/web.php?p=guide&tpl=corp_info
②「メガネ鱈肝油球A」 販売元:ワカサ
メガネ肝油は昔から有名だけど、子供用のドロップ状のものは合成品になったのが残念。
③DHCの「天然ビタミンA」はβ(ベータ)カロテンの方だから、使い難いです。
